台風15号の影響

今日のニュースから

高級食材の伊勢エビに、アワビ、タイ。台風15号の影響で、千葉県内の漁業に深刻な被害が出ていることがわかった。長引く停電で、水揚げした海産物を生かしておく施設が使えず、漁業者は「漁の再開も見通しが立たない」と途方に暮れているそうだ。

房総半島の最南端にある東安房漁協。14日朝、いけすからは異臭が漂っていた。海水を送り込むポンプや水温を下げる装置などが停電で使えなくなったという。この日までに、出荷前のサザエ約2トンや伊勢エビ約1.5トン、アワビ約400キロが死んだそうだ。

漁協は急きょ、発電機2機を取り寄せたが、多くはカバーできなかった。「鮮度を保つために保管していたのに、ほとんどダメになった」と担当者。被害総額は数千万円になるという。
伊勢エビが旬のこの時期は、1日500キロ～1トンの水揚げがあるが、いけすが復旧しなければ、漁も再開できない。

沖合の養殖にも被害が出た。北に隣接する鋸南町の勝山漁協では13日昼、組合員たちが鼻をつまみながら、かごに満載した大量のタイを捨てるため、トラックに積み込んでいた。
養殖のタイとシマアジが荒波にもまれて死んだという。13日までに約6トンを廃棄。沖合にはまだ回収できていない魚もあり、被害は1億円以上を見込む。

台風15号による水産物の被害は、県が13日までに把握したもので1億3900万円。さらに増える見込みだという。