経済時事 国債の価格が上がると金利が下がる

国債の価格が上がると金利が下がる
これが今週の日経新聞に何回も出てきた。この仕組みを押さえておこう。
国債は流通市場で売買され、その値段が金利の水準を左右する。
ちょっとややこしいので、順番に丁寧に説明していくよ。
まず、「長期金利」がどうやって決まるか?
もちろん市場で決まるわけだけど、その一番大きな指標となるのが、
どの国でも、10年物の国債の「利回り」だ。
国債というのは平たく言えば国の借金だが、利息自体は発行時に決められている。
たとえば、「満期1年で1円の利息が付く額面100円の国債」というように。
この国債は、満期に101円受けとれる。これは確定している。
この国債を市場で100円で買った人は
満期に101円を受け取り、1円の利益を得る。
購入価格に対する利回りは1%のプラスだ。
しかし、同じこの国債を市場で101円で買うとどうだろう。
満期に受け取れる額は101円に変わりはないから、
101円で国債を買って、満期に101円受けとれる。
つまり、利回りは実質上ゼロだ。
国債の価格が100円なら利回りは1%
国債の価格が101円なら利回りは0%
国債の価格が102円ならどう?
102円で購入したのに、
満期に受取額は101円と決まっているわけだから
1円損してしまう。
マイナス0.98%の利回り。マイナス金利だ。
これが、「国債の価格が上がると金利が下がる」
では、なぜ国債の価格が上がるの?
それは現在日本では日銀が国債を買っているからだ。
買う人が多くなれば値段は上がるでしょ。
では、なぜ102円で買って1円損するのがわかっているのに買うの?
国債の価格がどんどん上がるんであればさ、
今日、102円で買っても、明日105円の値がつけば
そこで売れば、明日3円の儲けが出るでしょ。
でも上がるとは限らないですよね?
もちろんそれはそうだ。
しかし、日銀総裁が買い続けると発言している間は
上がり続けると投資家たちは思うわけだ。
いつの日か暴落する前に売り抜ければ儲けることができるのです。
どう? わかったかな。
「国債の価格が上がると金利が下がる」
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