1票

2011年4月に行われた渋谷区議会議員選挙での話。
1年以上も経って、つい一昨日、最後の一人の当選者が確定したそうです。
1,135票を得票し、最後の一人として当選したのが、みんなの党の小柳政也さんでした。
実は、その次の順位の人とはたったの1票差。
その1票差で敗れたのは、自民党のベテラン・松岡さん。
すかさず、その次点で落選した人から、審査の申し立てがなされたそうです。
開票作業というのは、私も以前何度も経験がありますが、
公務員たちが、目で確認しながら、分類整理していく手作業による集計ですから、1票差くらいだと間違いがないとも限らない。
そこで、僅差の場合は、審査申立てをとりあえずしてみるのは良くあることなのだそうだ。
落選している人も、審査したことによって、無効票が出てきて自分の票が減ってしまう可能性もなくはないが、落選している人にはそんなことは関係がないから、とにかく審査申し立てをするらしい。
その申し立てにより、審査が行われたところ、
小柳さんの有効票とされた投票用紙に
「こやなぎしずお」と書かれた1票が見つかった。
小柳さんの名前は「まさや」。
投票用紙に書かれた「しずお」ではない。
東京都選挙管理委員会は、「林 しずお」という候補者がいたことから、
この1票を無効票と判断し、小柳さんの当選を取り消した。
投票所に貼ってある候補者一覧表では、たまたま、小柳さんの隣に「林 しずお」の名前があったので、その票を入れた人は、
「こやなぎ」まで書いて、下の名前を確認するときに、
うっかり隣の人の名前を見てしまって書いてしまったのではないか。
名前から書く人はいないから、「こやなぎ」とい書いた以上、この方は小柳さんに1票を投じたはずだと、小柳さんは、当選を無効とした都選挙管理委員会の採決取り消しを求めて訴えたが、
5月29日、最高裁が上告を退け、当選の無効が確定した。
そのため、最後1議席は、同じく1,134票を獲得した二人となってしまう。
公職選挙法95条には、得票数が同じ場合は、選挙会において、選挙長が「くじ」によって当選人を決定するという規定があるそうだ。
6月5日午後2時から、票数で並んだ2人のくじ引きが行なわれた。
結果、小柳さんはクジではずれ、落選となってしまった。
5月に最高裁で当選無効が確定するまでは、区議会議員として活動していた、小柳さん。
どういうお気持ちかは、私などにはわかりようもないが、この小柳さん、クジの翌日から、スーパー前で積極的に活動を開始しているそうです。
スゴイ! 拍手! そういう一生懸命な人にこそ、地域の区議さんをやって欲しいですね。
応援します!