Gお茶の水女子大学文教育学部 A・U

合格先:横浜市

 

  もともと私には公務員になろうという強い意志はありませんでした。ただ漠然と、三年になったんだから就職について考えなきゃなぁと思っていた時に選択肢の一つとして出会ったのがきっかけでした。学校への出張相談会でお会いして、何度かお話を重ねていく度に「へーそうなんだ」「公務員って面白そうだな」という想いが強くなりましたが、それでも入塾の際にはまだぼんやりとしか公務員への道を考えてはいませんでした。たぶん公務員になるんだろうな、くらいの気持ちはありましたが、公務員になって何をしたいとかそういうビジョンはなかったのです。


  塾に入ってからは各種専門科目や一般教養対策の授業が息つく間もなく始まり、最初の頃はその忙しさにひぃひぃ言っていました。復習も疎かで、授業についていくのが精一杯。次から次へとやってくる新しい知識をメモしていくだけで、それを知識として身に着けるのは二の次でした。
  ようやく復習に乗り出そうとしたのが、年を明けて二月を半分過ぎたくらいだったでしょうか。当時第一志望にしていた都庁・特別区の一次試験を約三か月後に控えて、流石に焦りだした頃です。自分が如何に試験対策の復習に手を抜いていたかというのを身を以て体感していましたし、知識がついていないことも自覚していました。ただそこまできて、何から手を付ければいいのかわからないというのも現状でした。そこで初めに行ったことが、志望先の決定です。志望先が決まれば、自ずと必要な試験科目もわかってきます。そこを重点的に叩けばいいと、ただ単純にそう思ったのです。私はこの頃に都庁でアルバイトをしており、その時の感じが良かったこと、また特別区に比べて一次試験の科目数が少ないこと(都庁は教養問題が選択、専門科目が記述式なのです)を理由として都庁を受験することに決めました。今思えばとても安直な理由だと思います。ただ思い返してみると、この時の選択はあながち間違いではありませんでした。暗記する際に、ただの文言ぶつ切りよりも文章の方が記憶に残りやすく、この時に記述用に覚えた専門科目の知識は後々の選択試験にも応用することができました。もちろん逆の方が覚えやすいという人もいるでしょうから、これは人それぞれだと思います。


  そして志望先が決まった後で、私の本格的な試験対策が始まりました。重要なのは教養試験と記述対策。真っ先に乗り出したのは、どこの試験でも使う教養対策です。とにかく数的処理が苦手な私は、塾のテキストに入っている問題を一から全て解き直しました。自分に数学的センスがないのは重々承知していましたし、塾のテキストは色々な過去問です。だからこそ復習と過去問の一石二鳥ということでひたすら黙々と解いていました。直前期になるとラウンジにある問題集を借りてごりごり一心不乱に問題と向き合っていました。判断推理はもとから相性が良かったのですが、それでも同じくごりごりと解きました。というのも教養試験において、どの試験種でも、数的処理・判断推理の割合は大きいからです。試験によっては半分を占めているものもあります。そういうわけで、できるだけ多くの問題にあたること、多くの解き方を覚えておくことで最大の得点源にすることが合格への近道だと言われ、私は必死に頭に詰め込みました。


  教養試験には他にも文章理解や地歴、自然科学などがありますが、こちらは試験一週間前くらいから怒涛の詰め込みを行った程度でした。文章理解に関しては、塾で行なった演習以外には手を付けていません。高校時代から国語だけは点数が良く、演習で手ごたえもあったので、その分を他の科目に回しました。得意分野は80%くらいにしておいて他の科目に時間をあてるというのも手だと思います。
  唯一最後まで苦手だったのが資料解釈です。都庁では四問も出る科目ですが、試験種によっては一問しか出なかったりと出題数の幅が大きな科目でもあります。その割に出題の仕方も幅広く、解き方を知っていないと解けない問題もあります。試験種によっては捨て問にするのもありだとは思いますが、確実に取りたい場合は外部テキストの購入もありです。実際に私は参考書を購入して独学しました。
  第一志望が都庁だったために専門科目は記述の詰め込みが主でした。ですがもちろん、詰め込む前にある程度のテキスト見直しは行いました。一通り読み直して、それから記述対策へ。基礎知識が入っているのといないのとでは、暗記する際に雲泥の差だからです。一日4つほどの記述文章の詰め込みを、就寝前に行いました。インプットしたと思ったら寝る。そしてまた翌日の朝にアウトプットする。を繰り返すだけで、意外と覚えられるようになります。暗記が苦手な方は試してみてください。

  そうしている内に怒涛の一次試験A日程が始まりました。毎週毎週行われる試験を嫌だと思う時期もありましたが、更に嫌になったのはうまく結果が出てこない「その後」でした。六月に入る頃には一次試験の結果が出始めるのですが、私の場合その頃に受けた試験は全滅でした。都庁も教養の点数が足りず失敗でした。何度も何度も一次試験に落ちてくるととにかくへこみます。どれだけがんばってもダメなんじゃないか、もうどこにも受からないんじゃないかという気分でだんだん鬱々としてきます。でも、そうなるのも当たり前なんだ、と今なら思います。その人にはそれぞれの速度があり、何よりもその人を必要としている機関の試験はまだ始まってすらいないのかもしれないのですから。そう思うことにしてA日程最後の地方上級までひたすら試験を受け続けました。気持ちがダメになった時や泣きたい時には塾へ行き、事務局の方にわんわん愚痴をぶちまけました。嫌な顔一つせずに慰めてくださった皆様に、とても感謝しています。
 ですがその時期を越えた七月、ようやく転機が訪れました。地方上級試験として選んだ横浜市から一次試験通過の通知が届いたのです。この頃には既に、「なんとなく」公務員になりたいのではなく「絶対に」公務員になりたいという想いがありました。いくつもの試験を受けていく内に自分がどうして公務員になりたいのか、何がしたいのかを考えることに至ったからです。その過程で出た結論が、自分の仕事でたくさんの人の幸せを守るお手伝いがしたい、笑顔を生み出す仕事がしたい、生活の基盤をちゃんと守る仕事をしたい、だから公務員になりたいんだ、というものでした。そのためには国家系の大きな仕事ではなくもっと小さな、自治体規模の役所で市民と向き合った仕事の方が向いているのではないかとも思い至るようにもなっていました。そう考えながら受けた試験が横浜市だったのです。今まで手にすることのできなかった通知だったのでとても嬉しく、また感慨深いものがありました。一次試験通過の段階でほろりと涙が出てきたくらいです。
 休む間もなく始まった二次試験の面談と最終面接では思いの丈をぶつけ、背伸びしない等身大の自分を表してきました。言葉につっかえながらもしっかりと、自分の言葉で質問に答えることを心がけ、何があっても笑顔で乗り切るぞという気概で臨みました。無事に内定を頂くことができた今も、面接を思い出しては苦く笑ってしまいます。訥々としか話せなかった面接でしたが、想いだけは伝わったのだということにしています。同時期にB日程の綾瀬市も受験しまして、そちらからも内定を頂きました(申し訳なく思いながら、こちらは断らせて頂きましたが)。

 今こうしてこの振り返りを書いていて感じるのは、自分を見つめ直す機会があったことが如何に重要だったかということです。公務員として働く上での確かなビジョン。それがあるのとないのとでは試験自体にも大きな影響を及ぼすのではないかと思います。試験に読まれている、というと言い過ぎかもしれませんが、大なり小なり必要なものだと感じています。もしも結果が出なくてうまくいかない時期がきても、あきらめないでください。自分や事務局の方と、しっかりでなくてもいいからお話しして、自分がどうして公務員として働きたいのかという形を探してみてはいかがでしょうか。その上でやりたいことも見えてくると思います。公務員として働くということ、それを考えながら乗り切った試験期間でした。最後まであきらめなければ、絶対に自分を必要としてくれるところがあるはずだと感じています。

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