試験体験記


■一次試験情報

 

    1. ◇国家一種(経済職)@大東文化大学板橋キャンパス
  1. 教養試験(150分)
  2. 人文・自然科学の問題から解きました。とにかく自信を持って答えることのできる問題を2・3問解くことでリズムに乗っていくことができました。数学・化学・世界史・日本史が簡単だったので、これから解いていくことにしました。
    後半は知能分野を解くことに全力を注ぎました。数的判断推理は制限時間5分と決めて、5分経っても回答の方針が立たないときは4をマークしました。数的判断推理に見切りをつけて余らした時間を文章理解と資料解釈に充て、1点でも多くもぎ取れるように時間配分に気をつけて解いていきました。本番ではいくつか塾でやった問題がそのまま出題されたので、リラックスして解くことできました。               結果は、31点でした。
  1. 専門試験(210分)

経済原論がとにかく難しいと聞いていたので、経済原論以外の問題で点を取っていくようにしました(国1の専門の過去問を殆ど解いていなかったので)。
経営学と経済思想史は毎年基本的な事しか聞かないので、そこから解き始め、実際簡単に解くことができました。その後は、計量経済と統計の問題を極力解かないように済ませるために、憲法・民法・財政学と国際経済学と経済事情を解きました。今年の経済原論は大幅に難化したといわれますが、それでも半分は解くことができました。
国1経済職の経済原論はただ単に解き方を熟知しているだけではなく、題意にしたがって上手く式を展開しないと解けない問題があります。ですので、焦ることなく問題文や選択肢をよく読んで解いていくようにしてください。
国1経済職の突破の鍵は、満点の狙える憲法・経営学・経済思想史を押さえ、民法と財政学と経済事情も半分以上を狙い、経済原論の大幅な失点を防ぐことにあると思います。
結果は、28点でした。

 

結果:国家1種経済職一次試験合格(二次辞退)

 

    1. ◇特別区一類@國學院大學渋谷キャンパス
  1. 教養試験(120分)
  2. 解く順番は、国家一種の時と基本は同じです。人文自然科学を解いてから、知能分野を解きました。不安だった自然科学も塾のノートを復習するだけで、5点は取れたのでとても助かりました。あとは、資料解釈と数的判断推理と英語で点を稼ぐことができました。数的判断に関しては一問5分の制限時間を設けて解いたので、時間配分を失敗することなく解くことができました。
    結果は、35点でした。

 

  1. 専門試験(90分)
  2. 問題が40問もあるのに対し90分しかないので、専門試験はある意味スピード勝負です。塾のレジュメと六法をどれだけ読み込んでいるかが(定着力)、鍵を握っていると思います。私は絶対の自信のある憲法と行政法と経済学から解き始め、その後は行政系科目を中心に解いていきました。試験終了後見直したら、満点を取れるレベルだったと分かりました。塾のレジュメと問題集と六法を読み込めば、満点も夢ではないと思います。
    結果は、35点でした。

 

  1. 専門論文(40分)
  2. 五十嵐先生の論述テキストの問題がそのまま出題されたので、行政学を選択しました。行政系科目は部分点が非常に取りやすいので、専門論述では行政系科目(政治学・行政学・社会学)をお勧めします。最初の3分で構成を練って(定義、背景、本論、結論)、あとはひたすら書いていきました。間違いなく、合格答案をかけたと確信しました。

 

  1. 教養論文(80分)
  2. 特別区は教養論文で決まるといっても過言ではないくらい重要です。試験開始までは呼吸をしてリラックスしました。問題を見ると、数日前書いたテーマがそのまま的中したので、助かりました。慌てずに5回は問題文を熟読して、題意とズレた記述をしないように気をつけました。最初の20分で構成を練って、残りの60分で論述して誤字・脱字・問題番号の記入ミスがないかを気をつけました。この日の論文が、今まで書いてきた中で一番の出来とも思えるような出来具合でした。間違いなくCランク以上の答案をかけました。
    これで落ちたら仕方がないと思えたので、悔いは全く残ることなく試験会場を後にしました。

  結果:特別区1類最終合格

 

    1. ◇国立大学法人@東京海洋大学
  1. 教養試験 (120分)

レベル的には特別区より易しいレベルだと思います。対策としては過去問がないので、国2の教養問題や特別区の過去問で慣れておくのが良いと思います。但し、問題が教養科目のみと書いておきながら、経済学(IS-LM分析)や憲法(違憲立法審査権に関する学説対比)、民法(私的自治の原則)の問題が盛り込まれていますので、専門の勉強もしっかりとしておいたほうが良いです。あとは、時間配分に気をつければ大丈夫な試験だと思います。

結果:国立大学法人最終合格

 

    1. ◇国税専門官@早稲田大学西早稲田キャンパス
  1. 教養試験(120分)

今までと同じ解き方で解いていきました。今年は知能分野が非常に優しかったのですが、人文自然科学で失点してしまいました。結果は、30点と今まで一番出来が悪かったです。

 

  1. 性格試験(20分)

 20分で100問近くの問に答えていきます。途中変な質問(私は神の使途であるか否か?)がありましたが、淡々とこなせばいいと思います。

 

  1. 専門試験(150分)

民法・商法、会計学、経済学、政治・社会事情、憲法・行政法、商業英語   
を選択しました。今年は憲法・行政法、経済学が解きやすかったので助かりました。国税の専門に関しては、過去問をよく解くことが重要だと思いました。結果は、27点でした。(会計学は無勉強でした)

 

  1. 専門論述(80分)

憲法を選択しようと思っていたのですが、今年から傾向が大幅に変更したので経済学を選択しました。経済学は非常に難しかったのですが、モデルの仮定や図を丁寧に書くなど、採点官が最初にみるところに力を入れて丁寧に記述をしました。

  結果:国税専門官試験最終合格

    1. ◇国家二種(行政職)@日本大学文理下高井戸キャンパス
  1. 教養試験(120分)

これまでと同じように解きました。今年の教養問題は易化したので、無難に
こなすことができました。結果は34点でした。

 

  1. 教養論文(60分)

テーマは、「少子化の要因背景分析と、その具体的な解決案を提示せよ」というものでした。60分しかないので、構成も10分くらいで済まし、一気に書き上げました。とにかく題意に沿っていることと採点官が一回で読んで理解できるように丁寧に答案を書きました。

 

  1. 専門試験(150分)

国2は専門で合否が決定してしまうといっても過言ではありません。できるだけ数多くの科目を用意して、試験に臨むようにしましょう。私は、マクロ経済学、ミクロ経済学、政治学、民法T、民法U、憲法、行政法、英語一般を選択しました。今年の専門科目は難化したこともあり、手応えがあまり感じられませんでした。五十嵐先生が指摘したとおり、国2の行政系科目は非常に難易度が高い傾向があるので、自信のある人のみ本番で回答をしたほうが良いように感じました。国2が第一志望の人は、『スーパー過去問ゼミ』で多くの演習量をこなしましょう。

   結果:国家2種試験行政関東甲信越行政職一次試験合格(二次辞退)

 

 

    1. ◇川崎市@橘高校
  1. 教養試験(120分)

世界史・日本史などの知識系問題から解きました。資料解釈と文章理解が素直な問題なので、これを落とさないように気をつけるのが重要です。これに対して、数的判断推理は中々解放が思い浮かばない問題が多いのが特徴です。ですから、時間配分に気をつけながら、知識系の問題と文章理解で点を稼ぐのが良いと思います。

  1. 専門試験(150分)

経済以外に関しては素直な問題が多いので、取りこぼさないように気をつけましょう。一方で経済は非常にクセのある問題が出題されますので、実務教育出版の過去問で慣れておくことが大事です。
この試験に関しては、途中退出者が異様に多かったです(問題の難易度が高いことと、試験時間が長いため)。実際、試験終了時には受験者の半分はいなかった気がします。しかし、最後まで粘れば粘るほど合格のチャンスが増えるので、最後まで粘り強く解き続けることが大事です。また、川崎市だけマークの仕方が違ったので、マークの塗りつぶしミスだけは絶対に避けましょう。

 結果:川崎市最終合格

 

 

  1. ■二次試験情報

 
◇特別区人事委員会面接
面接1回目(6月28日)@特別区職員研修所
面接方式:個別面接
所要時間:20分 
面接官:2名(30代くらいの男性一人と、40代くらいの男性一人)

「今日はよく眠られたか。」
「どういう経由で研修所にやってきたか。」
「1分間で自己PRをしてください。」
「今までに最も力を入れてきたことは何か。」
「何故環境活動に力を入れたのか。そこから、何を得たのか。」
「ゼミ活動に力を入れたというが、そこから、何を得たのか。」
「リーダーシップを発揮した経験はあるか。」
「協調性のない人間を説得するのに、どのような工夫をするか。」
「今までに最も大きなプレッシャーを感じたことは何か。」
「今まで、一番の失敗は何か。失敗の原因は何か。そこから、何を得たのか。」
「特別区の嫌いなところを述べよ。」

講評:特別区人事委員会の1回目の面接は概ね楽なことが多いようです。しかし、私の場合は、結構本格的な面接でした。志望動機は一切聞かれなかったので、自分の価値観や人生経験をしっかりと、相手に伝えることが重要です。模擬面接をこの時点で3回こなしていいたのが功を奏しました。

 

面接2回目(7月11日)@特別区職員研修所
面接方式:個別面接
所要時間:30分 
面接官:3名(50代くらいの男性二人と、40代くらいの一人)

「待合室で何を考えていたのか。」
「一分間で自己PRをしてください。」
「特別区を志望した理由を教えてください。」
「希望する職種がまちづくりと環境行政と言うが、両者にはどのようなつながりがあるのか。」
「他に希望する職種はあるか。(私が生涯教育といったところ、)では、どうやって生涯教育の充実を図っていく考えなのか。」
「あなたが今までに得た知識、経験を今後どのように活かしていきたいのか。」
「コミュニケーション能力とは何か?定義してください。」
「協調性のかけらのない人に対して、どうやって自分の意見をまとめることができるか」
「窓口で言うことを全く聞かない人に対して、どうやって接するのか。」
「希望の職種につけないこともあるが、それでも良いのか。」
「交渉力があるというが、そのときに気をつけることは何か。」
「そもそも、なぜ公務員を志望したのか。」
「人生で一番困難だったことは何か。」
「ゼミで得た考え方を、どうやって今後活かしていきたいか。」

  講評:相当深く突っ込んでくる質問が多かったです。また、「君ならこういうケースに遭遇したら、どうやって対処をするか。それでも駄目だったら、そうするか」という類の質問が多かったです。要はどういう人間なのかを聞いているのだと思います。
以下は余談です。私は1回目と2回目の面接で新宿区が第一志望であるということを、折を触れて伝えました。そうしたら、面接官はメモしていたので、自分の第一志望先を伝えることも大事だと思いました。もちろん、話の流れに乗ってそれを伝えるべきです。
また、2月の説明会で見た世田谷区の人事担当の人がいたので、面接官によってはどこかの区の人事担当者が面接官をやっている可能性があります。特別区人事委員会の面接とはいえ、やはり第一志望先の熱意はしっかりと持っていることが大事です。
8月3日に最終合格通知書をいただきました。

 

◇新宿区採用面接(8月17日)@新宿区役所6階大会議室
面接方式:個別面接
所要時間:30分 
面接官:3名(50代くらいの男性一人と、30代くらいの男性二人)

   面1:「それでは、新宿区採用面接をはじめたいと思います。では、この面接調書と身上書に沿って質問をしていきたいと思います。○○さんは小田急線沿いにお住まいなんですね。最寄り駅が、結構ここから遠い駅ですね。今日は、区役所に来るまでどのくらい時間がかかりましたか。」
私: 「地元の駅から区役所まで大体1時間くらいです。急行を使えば早く新宿に着けるので、問題は全くありません。小田急線沿いで育ったので、子どものころから新宿には縁のある土地でした。」
面1:「では、そもそも特別区を志望された動機は何ですか。」
私:「私は中学以来の登山経験と、大学時代における環境活動を通じて自然に愛着を持ち、自然と共存するイギリスの都市の魅力に触れました。この経験から、私は人々が健康で安心して生き生きと暮らしていけるよう生活環境を整え、地域資源を生かして個性のあるまちづくりを行いたいという気持ちがあります。特別区を志望した理由は、特別区は都庁と違い区民との距離が近く、協同して住みやすいまちをつくっていく姿勢に惹かれたからです。また、実際に新宿区主催の歩きタバコ防止キャンペーンやタウンミーティングに参加してみて、住民との協同で街が美しくなっていることに驚いたことも理由の一つです。」
面1:「なるほど、よく分かりました。ところで、面接調書に新宿区の煙草ポイ捨て防止活動に参加された、と書いてあります。実際参加されてみて、どのような感想を抱きましたか。また、実際に参加してみて歩きタバコをしている人に止めてもらうようにお願いしても、全員が全員素直に我々の言うことを聞いてくれないと思います。そのようなちょっと困った人に対して、あなたはどのように対応をしましたか。」
私:「実際に全員が全員、協力してくださるわけではありませんでした。中には、携帯灰皿を持っているから何が問題あるのですかと主張してきた人がいらっしゃいました。本当は受動喫煙が問題なので、煙を嫌がる人がいることと、喫煙場所があるので分煙のご協力をお願いします、と言いました。ただし、多くの人はただ単に路上喫煙が禁止されていることを知らない人が多いので、そういう人たちは素直に止めてもらえました。タバコを吸う権利もあるので、無碍にタバコを否定するのではなく、お互い気持ちよくすごせていけるようにご協力をお願いしますと言いましたら、多くの人は協力をしてくれました。」
面1:「そうですよね。○○さんがいま答えてくれたように、そういうバランス感覚が常に現場に立っている私たちにとっても、非常に重要なことです。それでは、この活動を通じて、新宿区の採用選考を知ったのですね。では、○○さんが新宿区を志望した理由を教えてください。」
私:「先ほど述べさせていたように、都庁と違い区民との距離が近く、協同して住みやすいまちをつくっていく姿勢に惹かれたからです。また、実際に新宿区主催の歩きタバコ防止キャンペーンやタウンミーティングや区長さんの講演会に参加してみて、住民との協同で街が美しくなっていることに驚いたことも理由の一つです。新宿区は日本一の商業施設と文化発祥の地であり、大久保に代表される多文化共生のまちもあれば、落合の付近でホタルが確認されるように自然が豊かな一面があるからです。ハードとソフトの両面から政策を行い、豊富な地域資源を活かして、日本で一番成熟した都市にしたいと思い、新宿を第一志望とさせていただきました。」
面1:「色々と新宿のイベントに積極的に参加してくださったのですね。区長と話そうトーク会、タウンミーティングに参加してみて、周りにどのようなどのような印象を抱きましたか。また、実際に参加してみて何か気づいた点はありますか。」
私:「七十代から八十代くらいの方が多くいらっしゃいました。あと多かったのは、主婦の方ですね。やはり、教育の問題への関心度が高いようです。多くの方が区報などをしっかり読んで勉強熱心であると同時に、都心でありながら地域のつながりの強さに驚きました。ただ残念なことは、20代の人が全く見受けられなかった事と、男性が少なかったことです。学生にアピールしたりすることも重要なのではないかと思いました。」
面1:「そうですか。では次に、学生時代に一番力をいれてきたことは何ですか。」
私:「中学時代の登山経験を通じて自然に愛着心をもったことから、環境問題に一番力を入れてきました。具体的には小学校での環境教育や大学生の環境意識を向上するための取り組みを行いました。特に環境教育では、校長先生や学年主任の先生方と協議を行い、チーム全体で1つのことを立ち上げる大変さと面白さを感じました。この経験から、チームワーク力と意見をまとめながら自分の考えを主張できる交渉力を身につけられました。」
面1:「いままでのお話を伺っていますと、○○さんは問題意識も強く、積極的な人だという印象を受けました。そういう方でしたら、東京都を就職先の一つとして考えはしませんでしたか。都庁には、あの強力なリーダーシップをお持ちになっている石原都知事がいらっしゃいます。ディーゼル車規制など、数々の新しい取り組みを広域で行っている都庁のほうも、あなたにとって非常に合っているような気がします。この点について、お考えをお聞かせください。」
私:「仰る通り、私も東京都庁と特別区のどちらを受験しようか悩みました。実際、都庁に勤めている方ともお話を聞いたことがあります。しかし、都市計画と環境行政の推進を進めるのならば、特別区のほうが良いと思いました。人々が生き生きとくらいしていけるような生活環境の整備と、個性のあるまちづくりをおこなうためには、住民との距離が近いほうが望ましいと思いました。また、環境行政の推進も環境省のようにスローガン的なことをいくら述べても私はあまり効果がないと思いました。人は自分の好きなものは大事にするように、まずは地域の人に自分の街を好きになってもらうことが環境行政の面からも非常に重要だとおもいました。地域と密着して住民と共同で政策を行うことで、ハードとソフトの両面から都市計画と環境行政の推進をはかることができます。このことから、私は東京都ではなく、特別区を就職先に希望しました。」
面1:「いま○○さんが仰ったように、特別区が都庁と違う点は、常に区民の方々と近い距離で政策を行う、つまり現場を持っていることが特別区の大きな点であります。ですから、都庁ではなく、特別区を志望されたのですね。分かりました。このように区民との距離が近い分、全員が全員我々の考えに賛同してくれたり、一方で反対する方もいらっしゃいます。そのとき、あなたはどのような対応をしますか。」
私:「まずは落ち着いて、相手の意見を聞くことにします。何故なら、多くの反対というのは相手の理解度の不足が原因となっているからです。相手の理解度を高めるように、まずは相手の言い分をしっかり聞いたうえで話をします。こうすると、不思議なもので両者の理解度の溝が埋まり、反発も少なくなります。事実、タウンミーティングの場でも、歌舞伎町の小学校跡地に介護施設ではなくて吉本興業を誘致することに反対していた方がいらっしゃいました。この方に職員の方が、介護問題の重要性はわかっているが、一方で文化や商業の面に力をいれることは長期的に見て街を活性させることにつながる、ということを話して、これまでの経緯を深く説明していました。この方も納得されたのですが、このように相手への理解度の不足が反発を招いているケースが多いので、まずはその理解度のギャップを埋めたいと思います。」
面2:「では私のほうから、質問をさせていただきます。今までに真剣に打ち込んだことのなかに、ゼミ活動が挙げられています。この経験から、どのようなことを学べましたか。」
私:「専攻は応用経済学です。様々な社会問題を、経済学を駆使して分析をしてきました。ゼミを通じて、テーマにかかわらず@問題を発見し自分で仮説をたてて原因を分析し、A仮説検証を繰り返し、データを用いて論理的に原因を解明するという経済学の思考プロセスを見につけることができました。」
面2:「ゼミで得たことを、今後どのように活かしていけると思いますか。」
私:「自分考えて問いを見つけ、仮説検証して論理的に解明するという考え方を活かすことができると思います。いかなる職場であれ、問題を自分で発見し、それを論理的に解決案を出すということは、非常に重要なことです。また、この考え方は普遍的な問題解決の思考法ですので、私がどのような職種に就いても役立つものと考えております。」
面2:「長所欄に、継続力と協調性と書いてありますが、この点について詳しくお聞かせください。」
私:「先ほど述べたように、私は10年間登山を続けてきました。高校の部活動では、毎週最低4回のトレーニング、具体的には5キロマラソンをした後、筋肉トレーニングを行いました。年に2回は3000メートル急の山々にも登りましたし、30キロ近い荷物を背負って5日間くらい山行を行ったとこともあります。この経験から、目標達成案で決して諦めず継続的に努力できるようになり、チーム全体への配慮と協調性を身に付けることができました。」
面2:「なるほど、よく分かりました。では、面接カードの欄にある親しい友人とは、あなたにとってどのような人なのでしょうか。○○さんの考える、親しい友人の定義とは何ですか。」
私:「友人とは、何でも自分の考えをお互い遠慮することなく言い合うことのできる人だと思います。もちろん、一定の礼儀やマナーはわきまえますが、本音を語りあえるというのは重要だと思います。事実、公務員受験時代の友人やゼミ仲間には、こういう友人が沢山います。表面的なことばかり言うのではなく、自分の考えを素直に言い合える人を、友人と私は考えております。」
面2:「なるほど。それでは、私からは質問は以上です。」
面3:「次に私のほうから、質問をします。○○さんは、働きやすい職場となどのような職場ですかという質問欄に、区民の方々が求めていることに対して真摯に応えていける職場、と書いてあります。なぜこのような答えをしたのですか。」
私:「今まで、ゼミ活動や環境活動でのグループ活動を振り返ったときに、そういう答えが出ました。組織で活動をする際は、一体性とモチベーションを保つために確固たる目標や理念が必要だと思いました。公務員の原点とその経験から照らし合わせたとき、区民の方々に対して誠心誠意対応していくことのできる職場ならば、いかなる辛いことに対しても乗り切ることができると思います。」
面3:「分かりました。では、あなたの希望する仕事・職場に最初は希望通り配属されないこともあります。それでも、大丈夫ですか。」
私:「区民のため、という原点はどの部署でも同じなので、配属された先で私は喜んで働かせていただきたいと思っております。また、職員の方にお話を伺ったところ、自分の部署で全力を尽くすことが極めて大事だと聞きました。その部署で得た経験やスキルが違う部署でも役立つからです。また、区役所はいろんな部署と連携して仕事が進むので、自分の所属している部署で全力を尽くすことで、違う部署の方とも仕事がうまく進むことになると聞きました。こういう理由から、私はいかなる部署でも全力を尽くして働きたいと考えております。」
面3:「では、最後に併願状況と最終合格発表の日をそれぞれ、お聞かせください。」
私: 「国家公務員では国家1種と2種は辞退しました。国税専門官は最終合格結果待ちで、発表は28日です。川崎市も最終合格発表待ちで、発表は30日です。どこから内定を頂いても、私は新宿区が第一志望なので、必ず新宿区に行きます。」
面3:「必ず来ていただけますか?それだけ、最後に確認させてください。」
私:「はい、必ずいきます。川崎市は受かっても、必ず辞退します。」
面接官全員:「それでは、以上で新宿区採用面接を終了したいと思います。本日は、お疲れ様でした。」

 

    講評:面接室に入った瞬間から、面接官全員が笑顔で受け入れてくれました。新宿区が第一志望であり、新宿区の主催のイベントに積極的に参加していたからかもしれません。区採用面接は特別区人事委員会よりも、人物重視の面接だと思いました。塾長が仰るように落とすための試験ではないので、リラックスして自分の人間性と熱意を伝えれば大丈夫だと思います。
面接終了後、4日後に合格の電話を頂きました。途中に土日を挟んでいても、相当早く通知を貰うことができました。

 

◇川崎市面接

   一次面接(7月10日)@いさご会館4階
面接方式:個別面接
所要時間:20分 
面接官:2名(30代くらいの男性二人、二人とも人事課の人でした)

面1:「自己PRをしてください。」

面1:「学生時代に一番力を入れてきたことを教えてください。」
面1:「いままで、一番困難に思えた事を教えてください。」
面1:「川崎市を志望した動機は何ですか。」
面1:「環境活動とは、具体的にはどのような取り組みを行ったのですか。」
面1:「川崎市とはどのような接点があるのですか。」
面2:「併願状況について教えてください。」
面2:「特別区の一次試験が合格をしているが、本当は特別区が第一志望ではないのか。」
面2:「川崎市に愛着があると言うが、川崎市のどこによく足を運んでいたのか。」
面2:「慶應の出身者が特別区を受験しているのならば、川崎市よりも港区や渋谷区のほうに愛着があると思われるが、それでもなぜ川崎市のほうに愛着を覚えるのか。」
面2:「特別区のどこを、第一、第二、第三志望としているのか。」
面2:「その三つの区の共通している点は何か。」
面2:「特別区ではなく、川崎市にこだわる理由はほかにはあるか。」

講評:川崎市一次面接は本当に素直な面接でした。ほとんどの人が通るので、肩の力を抜いて受けましょう。ただし、特別区合格者は徹底的に併願状況のことを聞かれると思ってください。そのとき、川崎市を実際に見て歩いて得た情報や考えを相手に伝えると、好印象を与えることができます。逆に、パンフレットやホームページを見ただけでは、相手に志望熱意を相当疑われるものと思ったほうがよいです。私は、一次試験で川崎市が第一志望の理由をしっかりと伝えられたので、二次面接でもその点は深く突っ込まれたりはしませんでした。

 

集団討論(8月16日)@いさご会館4階
所要時間:思考時間10分、意見発表10分、討論時間40分 計60分 
面接官:3名(30代の女性一人、40代くらいの男性二人)

テーマは、「いじめ加害者の生徒に対して出席停止措置を講じることについて」でした。A4サイズの紙の半分くらいに、テーマの背景について書かれたリード文が書いてあります(出席停止によって得られるメリットと、問題点について書いてありました。)。
その下に、質問が2つあります。問1は、「いじめ加害者の生徒に対して出席停止を講じることについて、あなたは賛成か反対かを述べてください。なお、賛成か反対かを理由も述べてください。」(制限時間は1分)というものでした。問2は、「現在、こどものいじめ問題が深刻化しています。いじめが深刻化している背景・原因を考え、それに対して学校・行政・家庭はどのような取り組みをしてくべきか、具体的な案をまとめてください。」でした。

 

 

集団討論で一緒だった受験生が全員素晴らしかったので、非常に恵まれていました。実際、特定の人間がダラダラとしゃべることなく、お互いがフォローしあいながら、かつ話の流れが脱線することなく、討論を行うことが出来ました。

集団討論を上手く行うポイントは、討論が始まる5分前にあると思います。面接室で一緒に集団討論をする受験生と顔あわせをします。ここから、5分間トイレ休憩が入ります。この時間だけ面接官が部屋にいないので、積極的に他の受験生と自己紹介をして緊張をほぐしましょう。私を含めて10人いましたが、その中で4人は集団討論を未体験でした。そこで私は、「集団討論がディベートと違って意見の優越を競うのではなくて、みんなで意見を提案しまとめる事が一番重要です」・「発言の機会が見つからないときは、意見を集約して周りに配慮できることを面接官にアピールできます」・「声を大きく言わないと面接官に伝わらない可能性があります。」と言い、集団討論の基本を伝えました。このとき民間の就職活動を行っていた人が私の意見に非常に同調してくれたので、他の人たちもそれをメモして実行に移してくれました。
メンバーの人たちは非常に良い人ばかりだったので、とても充実した集団討論でした。集団討論が未経験の人と一緒になる可能性が高いので、そういう人にも集団討論のポイントを言ってみてください。そうすると、討論が始まる前から友好な関係で、集団討論を始めることが出来ます。

   二次面接(8月16日)@いさご会館4階
面接方式:個別面接
所要時間:35分(集団討論のメンバーが10人のところは約30分、11人のところは役25分でした) 
面接官:3名(集団討論の面接官と同じ人でした)

   面1:「集団討論では非常に積極的に発言をし、意見をまとめるのが上手い印象を受けた。上手く発言できた理由は何か。」
面1:「自己PRを一分間してください。」
面1:「川崎市を第一志望にした理由は何か。」
面1:「川崎市で自然と調和したまちづくりをしたいという理由は分かった。そのような仕事は、横浜市でも可能だと思うが、なぜ川崎市なのか。」
面1:「実際に川崎市をいくつか歩いてみたというが、どういうところに足を運んでみたか。そして、気付いた点は何か。」
面2:「自己PRで環境問題と登山に取り組んだというが、登山はどういうところを登ったのか。」
面2:「最近登山が中高年の間でブームになっているが、そのような人たちに言いたいことはあるか。」
面2:「イギリスの都市の魅力とは具体的には、どういうことを意味するのか。」
面2:「川崎市の緑化政策を推進したいというが、あなたはどのようにこの政策を推進していく考えなのか。」
面2:「業務を通じて伸ばしたい能力を、コミュニケーション能力と書いているが、これはなぜなのか。」
面2:「現場では、全ての市民があなたの考え方に同調してくれるわけではありません。そういうときに、あなたはどうやって相手を説得しますか。」
面2:「仕事を進めていく上で、そういう困った人があなたの意見を全く聞く気配がないとき、それでもあなたはどうやって対処しますか。」
面2:「きつい業務もあります。それをやっていけるだけの自信がありますか。」
面3:「川崎市の学校に、中学高校6年間いたと書いてありますが、そのときと現在に対する川崎市のイメージを教えてください。」
面3:「今まで最も力を入れてきたことに、環境活動と取り上げています。この経験を踏まえて、実際の環境行政を今後どのように改善していきたいか。」
面3:「川崎市が第一志望ということはよく分かった。併願状況について教えてください。」
面3:「併願先全て合格しても、川崎市に来てくれますか。あとは意思確認の段階です。」

   講評:入室したときから、面接官が笑顔を続けてくれました。どうやら、集団討論の評価で対応が違うようです(同じグループの人でも、最初から固い空気が漂っていたと聞きました)。二次面接ということもありまして、深く突っ込んできます。しかし、模擬面接ほど深い突っ込みはないので、模擬面接をこなせば十分だと思います。
また、実際に川崎市を歩いて得た情報や、自分の力を入れたことと志望動機と希望職種につながりを持っていることを相手に伝えることができたので、十分に相手にアピールできだと思いました。最後に、「あとは意思確認の問題です」と言われたので、上手く面接ができたと思いました。
30日に最終合格をしたことが分かりました。

 

◇国税専門官
一次面接(所要時間30分 面接官3名)
質問事項

  1. 「国家公務員を志望した動機は何か」
  2. 「国税専門官を志望した動機は何か」
  3. 「税務署でアルバイトをしたことはあるか」
  4. 「ゼミでは何を研究していたのか」
  5. 「医療経済学とは何か」
  6. 「国税専門官と税関の職種の違いは何か」
  7. 「自己PRを言いなさい」
  8. 「リーダーシップを発揮した経験はあるか」
  9. 「併願状況はどうなっているのか」

 

   講評:質問事項だけ羅列すると標準的な面接のようですが、国税の面接は圧迫でした。ひたすら30分間自分の考え方と価値観を否定され続け、こちらが話を切り替えようとすると執拗にその事項を繰り返し質問してきました。正直、面接官が面接官として適切な人間か相当疑問を抱かざるを得ない面接官でした。面接官は人の話を理解しようとする姿勢は微塵も見せず、「分からない」・「国税の職種なんて魅力ないよ」・「既存のサークルに入るなんて、保守的で創造性もなければ積極性もない人なんですね」・「環境活動に力を入れたなんて、理解しがたい価値観の持ち主ですね」などと発言してきました。
受験生のストレス耐性をチェックするのが狙いだったのでしょうが、この方式だと口先だけの人間が合格するだけではないかと思いました。正直面接官は大ハズレでした。この面接官と一緒には絶対に働きたくないと思ったくらいです。しかし、「こんな面接官のために、落とされてたまるか」と気持ちを切り返し、相手の目を見ながら、貶されながらも相手の執拗な質問にくらいつきました。

   国税の面接は、面接官によって相当左右されます。15分くらいの雑談で終わる人もいれば、私のように30分近くストレス耐性をチェックされる人もいます。
国税が第一志望の人は、模擬面接を重ねることに加えて、いやらしい面接官に負けないようなタフネスさも持つことがとても大事だと思います。
人生で最悪な面接状態にもかかわらず、28日に最終合格はできました。

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