喜治塾通信(2005年12月14日アップ) | |
合格体験談【2005年度(15)】 ●最後まであきらめない〜3度目の正直〜 ------------------------------------------------------------------------------------- 東洋大学 法学部卒 2005年11月生 T・Mさん |
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■喜治塾を選んだ理由〜3度目の受験までの道のり〜
私が喜治塾と出会ったのは、国家一種に合格した私の一つ上の友人が薦めてくれたからです。最初、その友人の行っていた大手予備校に行こうと思い相談したところ、「ウチは大手だから生徒一人一人面倒見ない。俺の友人が喜治塾生でとても面倒見が良いと言っていた。」と言われ、すぐに調べガイダンスに参加しました。
そこで合格者の話を聞かせてもらい、過去の実績から初学者でも十分に合格可能であることと、塾長の穏やかな雰囲気、そして少人数制というところに魅力を感じ入塾しました。
最初の年は2月生コースで入ったので授業に付いていくので精一杯でしたが、なんとかカリキュラムをこなし、特別区などを受験しました。結果は残念なものとなりましたが、最初の年は特別区以外興味もなく、特別区の試験後全く勉強はしない、さらに経済を完全に捨てていたにもかかわらず合格点は取れていたので次の年に期待をかけました。
一年目の失敗は論文と経済にあると判断した私はとりあえず塾のビデオをもう一回見直し、問題集をひたすら解くようにしていました。論文に関しても、五十嵐先生の論文道場に出来る限り出席し書く訓練をしました。そうこうしているうちに二度目の受験日が来ました。
さすがにこの年は二度目というのもあり、千葉市上級、武蔵野市、東大和市の一次に合格しました。しかし、公務員試験の最大の山場が面接であると言うことを考えていなかった私は千葉市で口を滑らせてしまい、また武蔵野市では圧迫面接をされ、途中でどうでも良くなってしまい態度に出てしまい、当然不合格になりました。
そして今年こそはと思い、三度目の正直と受験し、見事本命の都庁に合格することが出来ました(今年から本命が特別区ではなく、都庁になりました)。長く、そして回り道をしたようにも思えますが、その中で私は何物にも換えがたい友人達との出会いがあり、これはこれで悪くないなと思います。
なぜ、私が三回も受験を続けることが出来たかというと、第一に目標がしっかりと定まっていたことが挙げられます。私がやりたことは民間企業ではなく、地方公務員でないと難しいことであったということがあります。そして、一生働くことになるだろう会社に対し妥協したくありませんでした(もちろんこれは私個人の考えであり、強要するつもりはありません。また、途中で考えが変わることも自然なのでそれに関しては良いことだと思います)。
そして、上記のように面接中に態度に出てしまうような未熟者である私を暖かく見守ってくれた家族、塾の先生、スタッフの方々に何としても報いたいという思いがあり、なんとか頑張ることが出来ました。少人数制という塾のメリットはこのようなところにもあるのかもしれません。やはり自分のために頑張るよりも人のために頑張りたいという気持ちの方が自分を奮い立たせることが出来るのではないかと思います。
このような私の試験対策について細かく説明していこうと思います。
■試験対策
《一般知能編》
一般知能は本当に慣れがデカイと科目であると思います。東大受験法で有名な和田さんではないですが、数的推理の問題を五分ほど解いてみて全く歯が立たない、解答への足がかりさえ見つからないのであればいっその事答えを見てしまったほうが良いと思います。
そして答えをノート上に書き写し考え方の道筋を自分の頭にしっかり焼き付けます。そうしたら答えを隠して自分の頭のみで紙上に再現してみる。それで出来ればとりあえずよしとして次の問題に取り掛かる。これを何問か繰り返した後に最初に躓いた問題に再チャレンジする。多分できると思いますが、もしダメなら解説を写すところからやり直す。クリアできればその問題は3日後くらいにやってみる。その後は徐々に期間を開けるようにしていく。
このようにして「人間は忘れる生き物である」ということを前提にして取り組んでいきました。
☆数的推理
私はこの科目が死ぬほどダメでした。最悪です。しかし、やらなくっちゃいけない必須科目なのでやらざるを得ませんでした。とりあえずとった方針としては出ないトコはやらないというもので(当たり前か…)過去8年の出題を調べ、その中で3回以上出た分野を通称ワニ本をやりました。
私は数学が嫌いだったので理解しようともせず、イキナリ答えを見て落書き帳に答えを写し出し、解法をパターンとして暗記してしまいました。全問は解けなくても良いという考えだったのでずっとコレで通しました。あとは問題集の解説が気に入らない場合、自分で別解をつくってみたりして気分転換をしました。
☆ 判断推理
数的に比べ、パズル的要素が強いので本番中でも結構楽しんでしまいました。これもある程度まではパターン暗記で済んでしまう科目だと思います。私は特に勉強はしていないので偉そうなことは言えませんが、普段から多角形サイコロをペンケースに入れて図形を頭にしみこませるのは効果的だと思います。
☆文章理解
私は日本文の文章読解をほとんど間違えないので参考にならないとは思いますが、重要ポイントには線を引いていけば正答率が上がると思います。あとは普段の読書量の問題ではないかなと。
英文は大学受験時代何もやっていなかったので死ぬほど苦手です。とりあえず、単語の意味だけつなげて読むカンジなので何も言えません。ゴメンナサイ。
とりあえず一般知能編はこんなカンジの元・ダメダメ受験生ですが何とかなったと言うのは希望を持てる話ではないでしょうか(内訳は忘れましたが今年の国Tの教養は32点取れたので問題ないと思います。)
数的推理でお勧めの本の紹介ですが、本当に苦手な人は文英堂のシグマベスト「受験算数の裏ワザテクニック」と「続・受験算数の裏ワザテクニック」をお勧めします。導入には良いと思いますが、多少出来るレベルの人には物足りなくなると思うので、あくまでステップ1程度に思ってください。ワニ本ですら解説を受け付けなかった私はこの本で初歩中の初歩からやるようにしました。
《一般知識編》
公務員試験は(一般行政職は特にですが)専門試験は皆出来るので差がつきにくいです。そこで重要なのが教養対策(とくに一般知識)であると私は考えています。知識系科目は範囲も広く、各科目の出題数も少ないので、一般知能に比べて費用対効果が悪いものと思われます。しかし、合格のためには避けては通れるものではないので嫌でもやるしかありません。私は結構いい加減にやってしまった人間なので、これを読むことで少しは気が楽になると良いのではないかなと思います。
☆人文科学編
一般に世界史、日本史、地理、文芸というまさに暗記物といったものが名を連ねます。興味が無いものを勉強することほど私の嫌いなものは無いので単なる暗記物にしてしまう気にはなれませんでした。そこで気を使ったのが良質なテキストの選定でした。では、どの様なものを使ったかと言うと
日本史:超速日本史シリーズ(ブックマン社)
五十嵐先生のレジュメ
元・代ゼミ講師の書いた本ですが、厚さ1cmもない本2冊で原始〜平成まで一気に見渡せるというものです。所謂実況中継的なものなので面白く読めると思います。これを読んだあと過去問をひたすら解くだけです。それだけでも対処しきれたと思います。
世界史:ナビゲーター世界史@〜C(山川出版)
五十嵐先生のレジュメ
ナビゲーター世界史は全部で941pにもなる重い本ですが、実は字が大きく行間も開いているので思ったほど量はありません。文章も読みやすいのでそれも実際のページ数よりも少なく感じる理由かもしれません。あと付録の問題集はやりませんでした。
なぜ、私が世界史にここまで力を入れているかというと、五十嵐先生が良く言っているように世界史は他の科目への波及効果が著しいということがあります。国家U種等の地理の問題を見ていると紛争史とでも言うべき出題があり世界史の知識のみで解くことが出来たりするものがあります。また、今年の国家T種でもフォークランド紛争等についての問題がありました。さらに、近現代史は教養の政治経済で問われるのみならず、専門科目の政治学等についても、政治学の問題としてみれば難しくても、世界史知識があれば答えを推測できる問題もあったりします。
地理:権田の実況中継@、A(語学春秋社)
五十嵐先生のレジュメ
地理は上記の二科目ほど出題が無かったり、または全く無い試験種もありますが、できればやったほうが良い科目であると思います。理由としては、各国の気候・地形等が分かれば「なぜ、ロシアは南下政策を採ったか」「日本が朝鮮の独立を急いだのはなぜか」と言ったことが明確になります。住んでいる地域の条件が戦争を生むということが分かれば世界史の理解も早くなります。
文芸:自作ノート(五十嵐先生のレジュメを基にしたもの)
単なる暗記に陥りがちで、そうなると最高につまらない科目の一つです。ドストエフスキー=罪と罰なんて覚えても試験の時には思い出せないこともしばしば。しかし、覚えてしまえば点に直結しやすい科目です。
そこで私は五十嵐先生のレジュメを基にしてノートを作りました。例えば白樺派を覚えるときには武者小路実篤、志賀直哉、有島武朗の三人の文字の横にカバを3匹書いたりしてできるだけ視覚化するようにしました。アホなことのように思われるでしょうが結構暗記の補助になりました(絵は下手糞ないのでどうしようもないですが…)
あと「お厚いのがお好き」という世界名作を分かりやすく解説するTV番組を本にしたものが面白く読めると思います。
音楽分野に関して私はクラシックが元々大好きなので苦労してないので何もいえません。
倫理:パスライン(KALS)
もともと精神世界に興味があり高校時代も学年1位だったので改めてと言うほどの勉強をしてはいませんが、知識の再確認にパスラインは使えたと思います。
総合:光速マスター人文科学(実務教育出版)
有名な光速マスターですが、最初に読むのはお勧めしません。理由は単語の羅列でまとまった知識を再確認するには良いが、導入には全く使い物になりません。
しかし、上述したような勉強をこなした後に使用すると使い勝手の良い復習教材になります。光速と言うだけあって本当にスグにまわせます。試験直前最後の纏めに使いました。
あと、各科目とも五十嵐先生のレジュメが最高です。読みすく、すぐに回すことが出来るので何度も読みました。基礎知識を仕込んだ後はこれだけで十二分に戦えます。
問題集:ウォーク問(LEC)
とりあえずテキストで読んだところをこの問題集で再確認という使い方をしました。2〜3周しか潰していませんが、結構定着したと思います。しかし、上述した科目を含めて、私にはこれらが合っていたというだけなので、自分で気に入ったものを使ったほうが良いと思います。
☆自然科学編
私の自然科学に対する考え方なのですが、基本的に人文科学よりもオイシイと思っています。なぜなら、範囲の膨大な人文科学(日本史2000年分、世界史4〜5000年分、地理世界中の特産物等細かいデータを覚える&紛争等の原因・現状をチェック、文芸普段の興味がなければタダの機械的暗記)よりも断然得点に結びつきます。上述したカッコ内を読んだだけで嫌気が指す人も多いと思います。
しかも、公務員試験の自然科学では簡単な知識しか聞かれないです。なぜなら難しくしすぎると誰も解けずに差を付けられなくなり、選抜試験の意味が無くなってしまいます。この辺は喜治塾長の著書にもう少し詳しく書いてありますので気になる方は読んでみてください。
ではどの様に私が取り組んだか具体的に書いていきます。
基本的には一般知能編で書いたように「嫌いなことこそ効率的に」という考えでいきました。なお、出題数が一番多いのはどこの試験種でも物理ですので、この科目を全範囲捨てるというのはそれだけでハンディになってしまいますのでせめて三角関数の知識だけで解ける力学だけはやった方が良いと思いました。
物理編
パスライン自然科学(KALS)
はじめからていねいに(物理)(東進ブックス)
予備校の講義ノート
まず使用参考書ですが、自然科学全般について書いてあるのでパスラインを使用しました。問題も簡単なものが収録されているのでこれに掲載されているものと喜治塾の講義で渡されたものは一通り潰しました。
物理は基本的に数学だと思いますので基本的なルールの発見→理解→暗記という流れ作業でした。しかし、私立文型専願だった私には「なぜ、そうなるのか?」といったことが理解し難いところがあり、そのようなときには塾長を捕まえ聞くようにしました。また、それでも自分の頭が悪く分からない場合はそのまま覚えこんでしまいました。公務員試験に思考力は不要で単に暗記力さえあれば何とかなると言う意見もあるくらいなんで、最終手段として丸暗記は有効だと思います。
それと全くの初学者の場合、パスラインは記述が簡単すぎるので使用しにくいと思いますので、その場合は「はじめからていねいに」シリーズを導入で使うと良いと思います。物理担当の橋本先生の記述はとても丁寧なのでこの本と塾長の講義によってアホな私でも何となく点を取れるようになったと思います。
化学
パスライン自然科学(KALS)
はじめからていねいに(化学)(東進ブックス)
予備校の講義ノート
化学は初学者がやるには物理より得点に結びつきにくい科目なので時間のない人にはあまり薦めませんが、結構面白い科目なので試験とは関係なく勉強して行けそうな気はします。私はこれもパスラインを丸暗記用につかいましたが、もし試験科目で生物が出るならそちらに力を入れたほうが良いかもしれません。しかし、全部切るということはしないで、せめて周期表を4段目くらいまでは縦に読んでも、横に読んでも、ソラで言えるようにしておくと何か良いことがあるかもしれません。後は結構常識的感覚で解けたりしますので希望は持てます。
生物
パスライン自然科学(KALS)
20日間で学ぶ生物・地学の基礎(実務教育出版)
予備校の講義ノート
生物・地学は私文専願でもとっつきやすい科目なので絶対に切らない方が良いと感じました。やっていれば絶対に取れる科目なのでやらないのはもったいないです。これに関してはパスラインに出ていることをマスターしさえすれば最新のバイオ系の問題以外は大体対処できると思います。あと、短期でインプットするのには実務教育出版の20日シリーズが使いやすかったです。そして掲載問題は全て潰したのは本番で全く同じ問題が出たりしたので良かったと思います。そして復習用に塾の講義ノートを使用しました。重要なところを集めてあるので直前期に無駄なく復習できたと思います。
地学 パスライン自然科学(KALS)
20日間で学ぶ生物・地学の基礎(実務教育出版)
予備校の講義ノート
地学は出題のない自治体もあるので、本命に出題されるか調べてから学習し他方が良いように思われます。この科目は重要度としては低いですが、部分部分で地理の知識にも繋がったりしますので、やって損はしないと思いました。この科目に関しては、20日間シリーズと塾の講義ノート、もらった問題のみやりました。
私は自然科学という分野は周りと差を付けられないため程度にしかやっていませんが、逆に言うと出来ない、捨てると差を付けられてしまう科目なので完全に捨てるのは薦めません。
塾長の講義は全くの文型頭の私ですらわかりやすかったのでとても助かりました。
☆社会科学編
社会科学(時事含む)ははっきり言って専門試験のある公務員受験者にとっては取り立てて力を入れる必要は無いと思います(時事除く)。しかし、一般知能が苦手な私としてはココで落とすわけにはいかなかったので、一問一問を手堅く大切に確保しようと努めました。
法律分野は専門試験のような問題が出される試験種(ex.国家一種)以外は結構易しめの問題が出されますが、基礎法学の点が案外取りにくいです。「次のうち〜解釈と言われるのはどれか」というような問題が出てきたりして私は嫌いでした。法学部の癖に「そんなん知るかよ」とか思いつつ解いたりしていました。今思うとあまりにもおバカさんなのでこれを読んだ方はそうならないようにちゃんと〜解釈の定義を理解しておくと良いと思います。
経済分野ははっきり言ってオイシイです。これは絶対取ったほうが良いです。簡単なグラフを読む程度の問題という場合もあります。それ以外では用語の意味を問われたりしますが、専門でやっていれば何の心配も無いと思います。もし、教養しか試験科目が無い方は実務教育出版の「速攻丸ごと経済学」という本をお勧めします。この本は予備校で経済の講義を一通り受講し終えてからスーパー過去問ゼミのミクロ経済、マクロ経済に手を出す前に読んだのですが、解法テクニック満載なんで嫌いな経済学で何とか点を取れるようになりました。教養レベルの経済ならコレで必要十分です。あとは頑張って暗記してしまえば良いと思います。
政治分野は専門試験の勉強との乖離が少ないと思います。専門試験の勉強さえしていれば、取り立てて勉強する必要は無いと思います。行政5科目まるごとパスワードを使うと良いと思います。この本だけで教養の政治分野なら対処できます。直前期に一気に見直したい私にとってはこの本と五十嵐先生のレジュメがまさにバイブルでした。
時事問題に関しては普段からどれだけ新聞を読んでいるかが重要という話が良く聞かれますが、そんなことは全くないと思います。半年も前の新聞ネタなんて誰も覚えていませんよね?そんなことミンナ言われて出来るなら予備校も要らないと思います。そして何より時間の無駄。新聞記事には大切な話もありますが、全部必要なわけではありません。しかし、中々情報の取捨選択は出来ないと思います。
では、私はどうしたかというと、毎年3月頃に出る「速攻の時事」という本と、これだけでは足りないので喜治塾の新聞ダイジェストを重要記事にのみ絞って講義をする五十嵐先生の時事道場を受講しました。この講座の復習と、速攻の時事を読むだけで大分違うと思いました。
《専門試験編》
☆法律系科目編
私は大学の講義はいい加減・適当に聞き流していたとはいえ、一応法学部だったのでそれ以外の専門科目に比べ親しみやすかったです。
◎憲法
芦部信喜 憲法第三版(岩波書店)
スーパー過去問ゼミ(実務教育出版)
国Tバイブル憲法(早稲田経営出版)
例百選憲法T・U(有斐閣)
GUT`S専門記述憲法(早稲田経営出版)
喜治塾オリジナル憲法専門記述用レジュメ
憲法がここまでテキストが多くなったのには都庁の専門記述で使おうと思っていたからです。そのため資料が増えましたが普通の試験種(専門記述がないところ)ではここまで必要ないです。正直、芦部憲法とスーパー過去問ゼミだけで足りると思います。
勉強のやり方ですが、憲法は法律系科目で最初に触れるものだと思います。小難しいイデオロギー的なところは無視して公務員試験で問われるのは人権分野、統治分野の二種類だけと考えて勉強しました(乱暴ですが)
まずはスーパー過去問ゼミをさっさと解いてしまいました。法学部ということもあって大学での授業はほとんど聞いていなくても聞いたことのあるような言葉が出てきたので、割と馴染みやすかったです。その際テキスト部分を読んでから解き出したのも、喜治塾へ入ってからの講義の理解を助けたと思います。その後基本書に当たり合計でスー過去は5回ほど解きました。そうしたら破けたのでもう一冊購入。古本屋で綺麗な状態のものが安く買えて良かった☆
専門記述対策ということでは、芦部信喜憲法を10回くらい読んだ気がします。大好きなラーメン屋のべんてんで並ぶ時間を使い読んでいました。あと喜治塾オリジナルレジュメはそのままでは使いにくかったので電車の行きかえりで答案構成の形に作り変え、レジュメを自作してそのまま覚えました。
しかし、都庁本番では環境権という書きにくいテーマだったので回避しました。それでも国税専門官の試験では国政調査権が出たのでしっかりと書くことが出来ました。
◎行政法
ウォーク問行政法(LEC)
過去問DASH!行政法(TAC)
藤田宙靖 行政法入門
法律科目の中で一番嫌いです。出来ることならもう触れたくないです。似たような言葉、似たような概念…もううんざりです。しかし、逃げていても仕方なかったので予備校のレジュメは放り投げ(きっと誰の説明でも受け付けないくらい嫌いなため)過去問を全て丸暗記することに決めました。そこで、掲載問題数の多いウォーク問を買って来てひたすら解いていました。全部で8回ほど解いても相変わらず面白みが見えてこなかったのに正解率はひたすら上がり続けました。しかし同じ問題を分けも分からず解くことが苦痛になり(飽きてきたこともありますが)、よりレベルの高い(掲載問題のほとんどが国T、国U)の過去問DASH!を買って来て何回か解きました。その後、これでは良くないと思い、行政法の大家藤田先生の入門書を買いましたが、読みきる前に試験突入。何とか満点or1ミスですみました。もう触れたくないです。
◎ 民法
五十嵐先生のレジュメ
スーパー過去問ゼミ民法T・U(実務教育出版)
民法は法律科目の中でも分量が多く攻略するのが難しい科目と言われていますが、実際は毎日触れる法律なのでとてもイメージしやすく勉強しやすいように思います。
民法に関しても憲法と同様に講義の前にスーパー過去問ゼミを解いておいてから五十嵐先生の講義を受けました。そして、講義で触れたところをまたスー過去を使い復習しました。大体6回ほど解いたところで問題集が小汚くなってしまったので(外身は手垢、中身はカラーペンを引きすぎたせいでドコが大切か分からなくなってしまったので)触りたくなくなりましたので買いなおしました。合計で8回ほど解いたと思います。その後は問題演習をたまにやる程度であとは五十嵐先生のレジュメばかり読んでいました。五十嵐先生のお陰で、法律系科目ではやっていて一番楽しい科目でした☆
労働法
喜治塾の講義
スーパー過去問ゼミ(実務教育出版)
はっきり言っておいしいと思います。特別区を受験するなら切るのはあまりに勿体無いほどに簡単です。適当なテキストを読んで判例を適当に潰して、スーパー過去問ゼミを解いていけば、ほぼ満点を取れるのではないでしょうか。私は喜治塾の講義のみで対処し、特別区を受験していた年は一問も落としていません。
法律系科目全般に渡って言えるのが「条文と判例が大切」ということだと思います。公務員試験では判例・通説の立場が一番大切なのでそれを確認するために判例六法や公務員試験六法は常に最新のものを入手しておいたほうが良いと思います(喜治塾では総合コースなら最新のものがもらえます)
◎経済科目編
経済系科目は大体ですが、ミクロ経済、マクロ経済、財政学、経済政策、経済事情というように分類できます。
この中で、地方公務員受験者にとって避けては通れないのがミクロ経済、マクロ経済を併せて経済原論といわれる科目と財政学です(国家二種なら選択しだいで回避可能)。経済事情、経済政策は時事で触れるので問題はないと思います。
私は経済学が特に苦手で、できる事なら触れないようにしようとし、一年目は失敗しました。そもそも試験科目中のウェイトが異常にデカイ経済学を切るなどということは竹やりで戦車に挑むようなものですので絶対に止めたほうが良いと思います。試験科目の中での経済系の出題数を見れば、経済を切っても他で点を取れば合格できるというのは迷信だと分かると思います(50問出題中40問回答しなきゃいけないのに経済系が15問出題という場合もあります)。しかし、数字を見るのも嫌いな私が経済学で点を取ろうなどとは夢物語のように思えました。そこで「嫌いなことこそ要領良く」がモットーの私としては「嫌いでも解法パターンさえ覚えてしまえばある程度は対処できるのではないか」と思い、理論を全く無視し、解ければいいというスタンスのスーパー過去問ゼミをメインで使用しました。
経済原論
スーパー過去問ゼミ(実務教育出版)
速攻!まるごと経済学(ヾ)
喜治塾レジュメ
喜治塾直前対策講義「都庁・特別区の経済を征服する」の問題集
ミクロ経済は基本的にただの数学と思ってやりました。スー過去なら複雑な問題も単純なパターン暗記だと思ってやれたので助かりました。解説も基本的に「解ければいい」という視点のものであったので結構馴染めました。
最初は喜治塾で講義を受け、講義でもらえる問題を一通り解けるようにしました。その後まるごと経済学を用い、大体の内容を復習し、それからスー過去に入りました。一周目は星が付いていないものをやり、二周目は星が一つ、三周目は星が二つついているものも含めてやりました。その後は間違えた問題にチェックをつけ、解法をノートに纏めていきました。そして纏めた解法を暇があれば読み返し、解き方を忘れないようにしていました。
計算問題等を解く際には、一般知能の数的推理と同じように5分考えて分からなければ答えを見て解く手順を紙に写しそれを見ないでも解けるように何回も解きなおしていました。そしてその手順をルーズリーフに纏めました。
マクロ経済に関してはミクロより理論や定理のようなものが多かったので基本的にはミクロと同じようなスタンスで触れましたが、より多く定義ノートをつくり暗記に励みました。
財政学
喜治塾レジュメのみ使用
財政学ははっきり言って、ただの暗記科目でした。理由は財政学とマクロ経済学の範囲がカブッていること、速攻の時事等時事対策本のデータを覚えるだけで対応できることが挙げられます。これ以外には喜治塾のレジュメがまとまっているので直前期にはよく読んでいました。
経済学は基本的にだいっキライな科目ではありましたが、法律系科目や行政系科目のような暗記物の合間にやることによって、いい気分転換になったと思います。
◎行政系科目編
行政系科目は五十嵐先生の講義が面白く、公務員試験の中でも特に好きな分野だったので楽しんで勉強することが出来ました。学者・学説の数が多く、最初は大変かもしれませんが、やっていると学者同士のつながりが分かってきて面白くなってきました。
政治学
五十嵐先生レジュメ
ウォーク問(LEC)
スーパー過去問ゼミ(実務教育出版)
行政五科目まるごとパスワード(実務教育出版)
私はまず五十嵐先生の講義をしっかり聞いてその後スー過去を解いていき、基本的にはこれとまるパスに出ている学者を暗記するように努めました。最初の受験の年には議会制等の政治システムをしっかり理解していたので二度目の受験時にはウォーク問で学者の名前と説を再インストールするというカンジでした。それで対処できたと思います。
ちなみに、政治学の問題や行政学の問題は密接に関連しあっているので相乗効果を期待することが出来ます。
それと、世界史、日本史の知識がとても大切だと思います。去年の問題では平塚らいてうについて問われた肢が正解肢だったのですが、そのように普段は政治学として扱われないようなところからも出題されるようになってきていると感じました。
行政学
五十嵐先生レジュメ
ウォーク問(LEC)
スーパー過去問ゼミ(実務教育出版)
行政五科目まるごとパスワード(実務教育出版)
西尾 勝 行政学(有斐閣)
行政学は政治学に比べて範囲は狭いですし、そこまで対策方法は変わりません。ただ、この科目もここ2〜3年で出題内容に変化が見られるので国家一種用の対策をしておいた方が良いと思いました。私の場合今年の国家二種は受験しませんでしたが、一応試験のタネ本と言われる西尾勝先生の行政学には目を通しておきました。
政治学もそうなのですが、基本的には五十嵐先生のレジュメを使用し、過去問等を解いていて知らない知識が出てきた場合、すぐにレジュメで確認、もし記載されていなかった場合は今後出そうか判断し、出題が予想される場合レジュメに記入したり、五十嵐先生に質問に行きました。出ないと判断した場合、切り捨てておきます(いつかの過去問でプラトンについて問う問題の肢に映画プラトーンについて書かれた問題がありました。問答無用で捨てました)
試験直前には毎日一回は五十嵐先生の行政系科目レジュメに目を通していました。とても読みやすい構成なので全範囲を読んでも一時間程度しかかからないので復習しやすかったです。
社会学
スーパー過去問ゼミ(実務教育出版)
行政5科目まるごとパスワード(ヾ)
社会学は範囲が膨大すぎて勉強しにくい科目で最初点が取れませんでした。しかし、それは自分が悪いのではなく単に知らないから点が取れないんだと思い、五十嵐先生が指摘してくれた部分をスー過去でひたすら覚えていきました。科目として難しいと思いましたので国家二種で選択できるほど勉強はしませんでした。あくまで都庁の論文に出された時に書ける程度で良いという方針の下勉強していたのでそんなに書くことはないです。というか国家二種での社会学は頭がおかしいとしか言いようが無いくらい難しい年があるのであまり選択肢には入れないほうが良いんじゃないかな〜なんて思ったりもします。
国際関係
喜治塾レジュメ
20日間で学ぶ国際関係(実務教育出版)
国際関係は最初WTO?UN?なにソレ!?という感じだったので、とりあえず塾のレジュメを読み20日間シリーズに記載されている程度の問題のみ解きました。あとは日本史、世界史の近現代史(ウェストファリア条約以降)を勉強していけば何とかなるんじゃないかなと思いました。
経営学
公務員経営学(早稲田経営出版)
スーパー過去問ゼミ(実務教育出版)
経営学は学者の名前が政治学〜社会学で学んだ名前の人も居ますが、基本的に新しく知る学者が多いです。最初はスー過去を解いてもまったく解けずイラつくのみでした。しかしそれでは良くないと思い、とりあえずテキストと新しめな問題が載っているものを購入しようと思い、公務員経営学を使用しました。基本的に社会学と同じで、解けないのは自分の頭が悪いのではなく、知らないから解けないんだというように思い込み、暗記に励みました。そうしたら何とかなったと思います。大体公務員経営学を3〜4回は読んだと思います。あとは結構常識的な判断で肢を切っていけると思います。
とりあえず行政系科目はこんなカンジに対策しましたが、行政系科目は五十嵐先生も言っているようにドル箱科目だと思います。ココは基本的に覚えるだけ、若しくは世界史等の知識で解けたりもする科目なんで取らなきゃ損だと感じました。
◎その他
会計学 喜治塾レジュメ
会計学は都庁・国税専門官対策ということで喜治塾の5回の講座を利用しました。とりあえず、やりはしましたが私には難しかったので都庁では選択しませんでした。また、国税専門官は必須だったのでとりあえず勘でマークしました。そうしたら7問中4問取れたのでまだまだ自分の勘も捨てたものじゃないなと思いました。
《論文編》
論文試験は択一式の試験に比べると軽視されがちです(特に国家二種の場合書ければ良いというカンジもあります)。しかし、そうではなく論文が非常に重要な試験種もあります。
私の第一志望の都庁や、同日に試験が行われ多くの方が受験する特別区は論文・面接の比重がとても大きく、択一などは足きりの程度の意味しかありません(もちろん択一に関しても高得点の方が要らない心配をしなくて済むので良いに決まっていますが)。しかし、私は論理的思考をするのが苦手なのもあり論文を書くのが苦手でした。しかも論文は独学では勉強しにくいものですので、誰かの指導を受ける必要があると思いました。そこで、月に一度行われる五十嵐先生の論文道場に出席し、論理的な書き方や社会への視点を学ぶことが出来たかと思います。また、同じ題で論文を書き直すというのも論文力の向上には重要なことです。喜治塾では何度でも添削してもらうことが出来るので、私は大いに活用させてもらいました。
本当に論文力は短期では向上しないと思いますので、日々の意識の積み重ねが大切だと思います。例えば、ニュース一つ見るにしても「何故そのような事件が起きたのか」を考えるようにしていました。その積み重ねが大切だと思います。
また、基礎的な知識がないと論文に書いた根拠となるものがないので、非常に客観性の弱いものになってしまうと思います。そこで、私は「日本の論点」を二年分(2004,2005)、朝日キーワード2005、速攻の時事、イミダス、実務教育出版から毎年3月ごろ刊行される論文の書き方みたいな本のデータ部分を読みました。
「日本の論点」で最近何が問題になっているのかを知り、朝日キーワードとイミダスでそれに関する情報を調べ、論文の書き方みたいな本でそれ以外にも使えそうなネタを仕入れました。知識に関してはコレで大体ドコの試験種でも対応できるのではないかと思います。
あとはその知識をアウトプットする練習が必要です。私はその場として喜治塾の論文道場を活用しました。上述したように、論文力の向上には同じネタでも何でも良いからひたすら書いてみるということがあげられます。死ぬほど沢山書いて添削してもらった方が良いと思います。
私は浪人生なんで一年目の人より知識をインプットする量が少なかったので対策を練るゆとりが沢山ありここまで出来ましたが、一年目の人がやるには重過ぎると思いますんであまり参考にはならないと思います。
あと論文は問題をしっかり読み込んで問いに正面から答えることが必要ということも付け加えておきます。五十嵐先生もブログの最初の方で触れていましたが、今年の都庁の論文などは特にその「読み込まなきゃ書けない論文の典型」のような問題でした。去年から都庁はやたらと問題文が長くなりました。そして今年の問題文はよく読まないと「災害対策」として書いてしまいそうなお題であるが、ちゃんと読むと「災害復興対策」でした。ちゃんと問題文をしっかり読まないと「災害対策」で書いてしまいそうになりますが、それで書いた場合0点でも文句は言えません(問いに答えていないため)のでしっかり読み込んで解釈してから紙にキーワードを書き出すようにしていくべきと思います。
上記の本以外にも、論文道場の中で五十嵐先生が薦めてくれた本を読んだことは論文対策というだけではなく、新しい考え方を知ることが出来て自分のためになったと思います。
また、今年の都庁U類では論文が「納税者の満足を向上させるにはどうすればよいか」という良くわからない題と、「自分が考えるこれからあるべき公務員像」みたいな抽象題が出ましたが、このような場合にはより条件のはっきりしているものをセレクトした方が論文の内容が変な方向に流れずにすむと思います。
◎面接編
最初の方でも触れましたが、私は面接で口を滑らせてしまったりし、苦手意識がありました。しかし、職員として採用してもらうためにはクリアせねばならず、どうしてもその弱点を克服しなければなりませんでした。喜治塾では、予約の取れる限り何度でも面接をやってもらうことが出来たので本当に助かりました。
塾長と五十嵐先生は面白いくらいにタイプの違う面接をやってくれるので是非両先生に見てもらうことをお勧めします。そうすることによって色々な角度から自分の弱点を指摘してもらえたり、また違うタイプの質問をされることによって自分の中に質問パターンのストックを作ることが出来ると思います。私は都庁・国税専門官の面接試験前に何度も模擬面接をやってもらいましたが、そこで聞かれたことがそのまんま本番でも聞かれて本当に驚きました。そこで指摘してもらえなかったらきっと本番では混乱し何も言えなくなっていたと思います。
■最後に
私が浪人したとき腐らずに合格を掴み取ることが出来たのは応援してくれた家族、友人、喜治塾のおかげです。来年受験される方はこれからが正念場であると思います。しかし根を詰めすぎて身体を壊し試験勉強に差し障るようなことになったり、本番で風邪を引いて普段の実力が出せないということの無いように健康には気を使うようにしてください。文章が異様に長くなりましたが、これで終わりたいと思います。