喜治塾新聞75号(2004年10月18日発行) | |
特集【2004年度公務員試験 私の合格法(6)】 ●国家II種・国立大学法人合格 ----------------------------------------------------------------------- 2003年6月生 益田泰明さん |
国II合格のための勉強法
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■勉強開始
私が公務員を志したのは、少年犯罪に興味があったため、関連する文献を読んでいくうちに犯罪の処理過程に関わる様々な公務員がいることを知り、そのような職務に就きたいと思ったからでした。
この思いは大学入学当初からずっと持ち続けていたため民間の就職活動はせず、公務員試験1本で行こうと考え、大学2年時から予備校選びを開始しました。結局、サークルの新入生歓迎期間が過ぎて生活が落ち着き始めた大学3年の6月に、喜治塾へ入塾しました。 私は野球サークルに所属しており、週3回練習があったため、生活が落ち着き始めたとはいえ引退する12月までは100%勉強に集中というわけにはいきませんでした。
塾の授業はなるべくカリキュラム通りに出るようにしましたが、やむを得ず休まなければならなかった授業もあったため、そういう場合は計画的にビデオ予約をいれてカバーをしました。
年明けからは、ほぼ100%公務員試験の勉強に集中していましたが、それまではほとんど授業・ビデオ受講の日に合わせた予習・復習のみであったと思います。
■勉強方法
教養科目
■知能分野
〈文章理解〉
塾で毎回配られているプリント以外は、直前期に「過去問500」(実務教育出版)の中に入っている問題を1日に少しずつ解くぐらいでした。落ち着いて時間をかければできてしまう問題なので、いかに少ない時間であせらず読みとれるかがポイントだと思います。 あと、これは全くの個人的な感覚ですが、本番では英文問題→日本文問題の順にやった方がいいです。国IIでは日本文問題5問、英文問題3問出ますが、先に英文3題やった後のほうが日本文が読みやすく感じるのです。やはり難しそうな文章でも母国語が一番ですからね。ですので一度模試などで試してみてくださいね。
〈資料解釈〉
タイプ別に出題構成されている過去問で様々なタイプの問題をひと通りやっておきました。これも文章理解同様時間との戦いなので、直前期は時間を決めて解いたりしました。要領のいい計算の仕方を身につけることも大事でしょう。
〈数的推理・判断推理〉
苦手な人が多いと思います(私は苦手でした)。しかし、基本的なパターンを塾のテキストなり、問題集などできっちりこなして、本番では「できる問題だけは、何が何でも正解する!」という精神でやっていけば大丈夫だと思います。
私は、この数的・判断だけはもう少し早い段階でもっとやっておくべきだったと後悔しています。直前期にやると本来専門科目に費やさなければならない時間が削られてしまうからです。ですから後でまとめて頑張ろうとは考えず、やれる時に繰り返しやってくださいね。
■知識分野
〈物理・化学・生物・地学〉
物理、化学はまったく勉強しませんでした。ただし生物、地学は点数になりますし、やっていてそんなにつらくない内容だと思いますので、理系科目が嫌いな人でもやったほうがいいと思います。私は市販の要点を集めた参考書を中心にやり、また高校時代の教科書も引っ張り出して横に置いて参考程度に利用する形で勉強しました。
〈世界史・日本史・地理・思想・文学芸術〉
この科目は好きでしたし、これらで確実に点数をとろうと思っていたので、かなりやったと思います。特に世界史、日本史は高校時代の教科書や用語集などを積極的に活用し、時代ごとに確認→問題練習といった具合にやりました。
私は地理と芸術はあまりやりませんでしたが、思想・文学はコンパクトにまとまった市販の参考書や塾のテキストで繰り返し覚えました。文学史は受験が終わったら読んでみようなどと考えながら、簡単なあらすじとかも調べておくと楽しく覚えることができます。
〈社会科学〉
これは政治学などの専門科目で十分カバーできるので、時事だけを力をいれてやればいいのだと思います。
★注意!
教養科目に関しては、勉強の仕方や時間のかけ方が人によってかなり違います。私のやり方は自分の性格や模試の状況などから判断して、本番どう点数をとるかの作戦を立てたうえでのものです。
ですから周りの友達のやり方を見て、あせったり、そっくりマネしたりするのは危険です。まったく見向きもせず参考にすらしないというのも問題ですが。自分のやり方が正しいかどうかわからないため判断の難しいところですが、自分が受ける試験の傾向や自分の性格・模試での状況などを考慮し、きっちり作戦を立てたうえで他の人のやり方も見てみてください。
専門科目
私は、家庭裁判所調査官補試験と国家II種試験を第一志望に考え、練習に国立大学法人職員試験(教養のみ)を受けようと考えていて、ほかの試験は一切受けないつもりでいたので、専門科目の選び方は特殊だと思います。経済系はやっていませんし、そのへんの点では多少参考にならないかもしれませんがご了承ください。
■法律系
(民法、憲法)
大学では法学部に所属していましたが、油断せずに一からやりました。塾のテキストを中心に六法の条文・判例にマーカーをひいて繰り返し復習して、その後問題集をやるという形で勉強しました。また、直前期は問題集から先にやり、そのあとテキストチェックという形に変えたりもしました。
憲法は条文と重要判例をしっかりと理解して覚えればだいたいの問題は解けるようになると思います。特に条文は少なめですし、しっかり理解&暗記をしておくと楽でしょう。
民法はとにかく範囲が広く、やみくもに覚えても実力がつきません。「わからないから丸暗記!」っていう手段は通用せず、考える力が必要です。説明しにくいですが、とにかく少しでもしっくりこない箇所があれば先生に何回も質問に行くべきでしょう。また、事例問題などは無理に頭の中でやろうとせずに、図をかいて解く癖をつけてくださいね。
■行政系
(政治学、行政学、社会学、国際関係)
学者の名前をいっぱい覚えるなどとなかなか大変ですが、これらを学習すると新聞もよりわかりやすく読めるようになり、時事にも強くなると思います。 基本的に暗記中心なので、繰り返し何回もやり得点源にできるようにしたいですね。また、これら行政系科目は互いに重なっている部分も多いので、それぞれ関連づけて勉強するようにしてください。
※ 国Uの専門科目は13科目中6科目選択なのですが、私は結局英語を除いて6科目の用意で臨みました。といっても英語が得意でもなく、あまり練習もしませんでした。
やはり本番かなり苦しい状況でしたので、英語が本当に得意か、またはしっかり練習してきた人でない限り英語を除いて13科目中7〜8科目は用意したほうがいいと思います(おそらくたいていの人は用意しているでしょうが、特殊な併願をする人で教科をある程度絞っている人は、ご注意ください!)。
■直前期
2〜4月あたりは大学の図書館にこもって朝から夜まで、その日やる科目を決めて復習・問題演習を行いました。
5月頃から気分転換に塾の自習室に場所を変えて、塾が開く時間から閉まる時間まで勉強しました。お昼に友達みんなで昼食を食べたり、5時〜6時あたりは休憩時間と決めてラウンジでしゃべったりしていい具合に気分転換ができていたと思います。直前期までに自分に合った勉強場所をしっかり見つけておくことは大事でしょう。 この頃私は小さいメモ帳(教養科目用、専門科目用の2冊)を用意し、その日勉強していて整理しなければならないことや覚えてなかったことをメモ帳に整理するという方法を取り入れてみました。小さいメモ帳だと、少し空いた時間とかにも手軽にチェックできたりするのでオススメです。
また、模試や問題演習などを通じて、どの科目でどのくらい点数をとるかということや、苦手な科目はどの程度の失点で防ぐか、解く順番はどうするかなどの細かい作戦を立てていました。もともと私は野球などを通じて作戦を立てるのが好きだったので、かなり細かく考えていたと思います。そこまで細かいのはオススメしませんが、自分に合った作戦をしっかりとたてて勉強していったほうがよいでしょう。
■さいごに
公務員試験というのは、非常に長丁場でモチベーションを保つのも大変だと思います。まずは、自分がこうすればモチベーションが回復してやる気が出るという方法を見つけてみてください。自分が職員になって働く姿を想像する、関連の本を読むなどなんでもいいのです(私はちなみに好きな作家の本を読むのと、「巨人清原の2千本安打までの道のり」というビデオを見ることでした)。
また、試験本番では受験生の学力の差はほとんどなく、極限状態の中でどれだけ力を発揮できるかにかかっています。リラックスした状態を作りながらも、「自分が落ちたら誰が受かるんだ! 石にかじりついても受かってやる!」という気持ちで臨んでください。難しいですが、いわば静かな闘志って感じです。決して最後まであきらめずに精一杯頑張ってくださいね!