喜治塾新聞70号(2004年9月13日発行) | |
特集【2004年度公務員試験 私の合格法(1)】 ●国税専門官・国家II種 ----------------------------------------------------------------------- 2003年6月生 田中辰宜さん |
先輩に学べ! これが私の勉強法です。
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■志望動機
●公務員を志望した理由
大学に入って自分の将来を考えた時に、漠然と民間企業か公務員かという選択が考えられました。民間企業と公務員との違いは多々あるとは思いますが、その中でも最も大きな違いは、「誰のために働くのか」ということだと思います。
広い意味ではどちらも社会のためになることは確かです。ただ、民間は最終的には利益を追求し、一つの会社が存続するために働くことになります。私の祖父は生前保護司という仕事をしており、そのことを通して幅広い人々の役に立つ仕事をすることの意義を昔から考えてきました。すると、民間よりも公務員を選択することは自然なことでした。特に国家公務員にこだわったのも上記の理由によります。
●国税専門官・国家II種を志望した理由
国税専門官を志望した理由は、大学で会計学を専攻していたことと、税金の分野に昔から興味があったことです。税務行政は国家の根幹を支える重要なものです。自分が一生の多くの部分を割く仕事として、国税専門官ならやりがいを持って取り組めると思いました。
国家II種(厚労省)を志望した理由は、大学のサークルで施設の子供たちへの教育と障害児教育のボランティアを行っていたことです。根っからの子供好きであるために昨今の虐待事件などに対して取り組めたらと思いました。
結果的に運良くどちらも最終合格をいただき迷うこととなりましたが、国税専門官を選択しました。
■勉強法
私の勉強法はズバリ、「先輩に学べ!」です。これはどういうことかというと、私の場合、昨年の同志望(国税、国II)であった先輩の勉強法を真似たということです。ですから、特にオリジナルの勉強法があるかと言われると胸を張れないのですが、それなりに考えてやったつもりなので書いてみたいと思います。ただ、主要部分は同先輩のやり方と同じです。
●全体にわたって重要なこと
1)生活のリズムを崩さない
早寝早起きをすることは重要だと思います。私は毎日7時半には起床し、12時には寝ていました。生活のリズムは人それぞれだとは思うのですが、午前中の時間は個人的には最もモチベーションの高い時間帯だったので、この時間を寝て過ごしてしまうのはもったいないと思いました。
2)講義には基本的に参加する
どうしても都合の悪い時以外は講義に出席します。確かにビデオでフォローすることは可能ですが、ビデオをためすぎると復習が追いつかなくなり、わからないことがそのままになってしまうと思います。もし、講義に出られないことがあっても、なるべく次の講義の前までにはフォローできるようにしたほうがいいです。
3)塾のレジュメ、配布プリントを重視する
初めのうちはどうしても勉強のペースがつかめずに不安になります。ただ、まずはともかくレジュメの内容を理解すること、覚えることに集中したほうがいいと思います。レジュメの内容を理解できていない段階で問題をいくら解いてもおそらく応用力は身につかないです。
4)苦手科目から逃げない
苦手科目はやりたくないのが普通の心情です。ですが、公務員試験の最も特徴的なことは浅く(浅くない科目もあるかも)、広い勉強が絶大な力を発揮するところです。例えば、文系の人でも生物をやっておくと、意外と本番で知っているような問題が出たりします。現に、私は国税でも国IIでも生物の問題で得点しています。
5)周囲に流されない
公務員志望の友達と情報交換することは有益です。ただ、あまりにも周りに頼りすぎるのも問題があると思います。最終的には自分で確信を持てることだけを信じて行動したほうがいいと思います。
6)問題集・参考書など を買い過ぎない
基本的には塾で配られるもので充分だと思います。私にとって問題集などは合格を確実なものにするためのプラスアウファという位置付けでした。
欲張って問題集を買いすぎると結局全部にまで手が回らなくなります。専門ならスーパー過去問ゼミ、教養なら光速マスターのみというくらいに限定して購入するほうがいいと思います。
●1日の勉強スケジュール
直前期(講義が終わってから)の勉強の平均的なスケジュールは次のような感じです。
○9〜10時
数的処理・判断推理、資料解釈
○10〜12時
経済系専門科目(経済原論、財政学)
○12〜13時
文章理解、時事対策
○13〜14時〈昼休み〉
○14〜16時
専門科目1
○16〜18時
専門科目2
○18〜19時〈夕食〉
○19〜21時
教養
午前中に理数系の科目、午後に知識系の科目という分け方をしていました。
●各科目の勉強法
〈文章理解〉
ともかく配られたプリントをやってみて、どうしてその選択肢が選ばれたのかを考えるようにします。講義でもやるように、「どこが違うから×」と言えるように練習します。英文はできるだけ配れたプリントの知らない単語を覚えるように努めました。
〈数的処理、判断数理〉
パターンを覚えてしまうことが重要だと思います。ここが確実に得点できる人はそうはいないと思うので、講義でやった問題を繰り返してやり、同じような問題には対処できるようにしておきました。余裕があれば数多くの問題に触れることはもちろんプラスです。
〈時事〉
時事対策の講義に出ました。塾で配られる時事対策本に加えて、講師の先生が勧めてくれた時事対策本、それから毎日の新聞に目を通しました。専門科目でも科目によっては時事ネタが出題されるので、時事を軽く見ないほうがいいと思います。
〈資料解釈〉
数的・判断と同じやり方です。パターンを覚えてしまうことです。
〈教養(理系科目)〉
文系の私でも比較的取り組みやすい生物と地学をやりました。
〈 教養(文系科目)〉
塾で配られたプリント及び光速マスターを使って覚えました。すべての範囲をやると大変なのでAランク、Bランクに絞って繰り返し覚え込みました。
〈専門
(法律系、行政系)〉
優先順序は、塾で配られたレジュメを覚える→配られた問題をやる→レジュメで確認する→確実に理解する→問題集をやる→解説とレジュメで確認する、です。ともかく、塾のレジュメは、「もういいよ……」と言いたくなるくらい覚えておくべきです。
それから、これは人によりますが問題集は3回繰り返すと知識として定着したことを実感できました。法律系、行政系ともに3回繰り返すのには一次試験の一週間前までかかりましたが、効果は絶大でした。
〈経済系〉
私は特に苦手でした。なので、他の専門科目とは違い、頻出のところを重点的にやりました。おそらくどんなに取り組んでも苦手なところは出てくると思います。ただ、どんなに苦手でも頻出のところを落とすのはもったいないので、そこだけはきちんと理解しておくように心掛けました。
私は経営学科だったので、経営学についてはそれほど苦にはなりませんでした。
〈会計学、商法〉
会計学は塾で配られたもの以外には何もやっていません。商法も同じです。会計学は簿記を持っていると比較的すんなり理解できる科目でした。
〈面接対策、官庁訪問など〉
面接は高校の受験以来だったので不安でした。ただ、塾で対策講義を聞き、模擬面接をしていただいたおかげで緊張することもなく受けることができました。 必要だと感じたのは、普段からなぜ自分は公務員志望なのか、どんな仕事をしたいのかを考えておくことだと思います。簡単に言えば志望動機です。
「そんなのあたり前じゃないの?」と思われるかもしれませんが、意外にそうではありません。官庁訪問などをしていて思ったのは、自分なりの志望動機を確立できていないと自信を持てないということです。どのように志望動機について聞かれても答えられるようにしておけば、面接で大きく失敗することはないと感じました。国IIでは特に各官庁ごとの志望動機を考えるのが難しいので、自分のこれまでの経験と結び付けて主張できるような志望動機があると強いです。
■まとめ
以上が私の合格体験記です。正直に言って、私は塾内テストで名前が載ったこともなければ、スケジュール通りに勉強できた日など数えるほどです。ただ、自分が強く思って勉強すれば必ず合格できるのだということはわかったし、喜治塾にはそれをサポートしてくれる先生方や友人が たくさんいました。
この合格体験記の中で、一つでも二つでも皆さんのお役に立つことがありましたら光栄です。最終合格目指して頑張ってください!