<特集>

公務員試験の
申込み方法


4月に入ると、夏に実施される公務員採用試験の募集要項・受験申込用紙が配布されはじめる。公務員試験の受験は、まずはこれらの書類を手に入れ、受験を申し込むことからスタートする。
年度によって受付期間や受験資格、試験内容が変更されることがあるので、志望先の情報は早めに入手しておきたい。ここでは、受験の申込み方法と試験日程について簡単に紹介しておく。


★申込み方法

 大学生・大卒者が受験する公務員試験は、「大学卒業程度試験」といわれ、ほとんどの試験で学歴不問・受験資格は年齢制限のみとなっている。試験によって上級、1種、1類など呼び方は異なるが、どれもこの「大学卒業程度試験」を指す。最近では、短大卒業者の減少から、中級、2種、2類と呼ばれる「短大卒業程度試験」も含めて大卒程度の試験とされている。
 これらの大卒程度試験の多くは、6〜7月の夏の時期に一次試験が実施され、受験申込受付は1〜3ヵ月前の4〜5月に行われる。試験の募集要項は4〜5月に配布されるが、それに先駆けて採用案内のパンフレットが3月頃から配布されはじめるので、こちらは早めにチェックしておきたい。ちなみに、特別区はパンフレットを3月上旬、募集要項を4月下旬から配布するとのこと(特別区人事委員会)。
 募集要項・パンフレットともに、直接または郵送で手に入れることができる。郵送の場合は、指定金額分の切手を貼った返信用封筒(自分の宛先を記載)を同封して、封筒の表に「申込書とパンフレット請求」など郵送してほしいものを朱書きし、担当部署に送付する。
 受験申込書類の受付は、持参・郵送ともに可能なところと、郵送または持参のみのところとあり、試験によって異なるので、間違いのないようにすること。毎年のように締め切り日を間違えて涙している人がいるので、くれぐれも注意を怠らないようにしよう。
 採用試験の情報は、直接電話で問い合わせても教えてくれるが、ホームページで随時発表しているので、気になる試験についてはまめにチェックを入れておくのがよいだろう。

★試験日程(予測)

6月9日(日)
 ・国家1種
6月16日(日)
 ・都庁
 ・東京23特別区
 ・裁判所事務官1種・2種
 ・家裁調査官補1種
 ・国税専門官
 ・労働基準監督官
6月23日(日)
 ・道府県庁
 ・政令指定都市
 ・防衛庁1種・2種
6月30日(日)
 ・国家2種
7月6日(土)
 ・衆議院1種・2種
7月7日(日)
 ・参議院1種・2種
7月13日(土)
 ・国会図書館1種・2種

 例年の試験日程を参考にして、今年の試験日を予測した。例年どおりの日程で行われるかどうかは、募集要項が出ないと確定されない。多くの試験は例年どおり行われるが、まれに大幅な変更をおこなう試験があるので注意が必要だ。
 たとえば国税専門官の試験は、2000年は6月第3土曜日に試験を実施したが、2001年は6月第3日曜日に変更した。これにより、日曜日に実施される都庁、特別区などの試験との併願を考えていた人が、どちらかを選択しなくてはならない事態になった(このことの影響もあり、昨年の国税専門官試験の申込みは、前年比15.7%減となった)。
 警察官の試験は、都道府県により試験日程がまちまちなので取り上げなかったが、早い試験は5月に実施されるので、志望の方は見逃さないように。また、警察官試験は男性と女性では試験が異なり、試験も年に数回実施されるところが多く、少し特殊な形態になっている。
 また、日程が重なる試験について、どちらを受験するか迷うところだが、迷ったら両方申込みをしておけばよい。たとえば、都庁か特別区か、千葉県か千葉市かなど、最後の最後まで受験先を決めきれない場合もあるだろう。さすがに、試験当日には決めなければいけないが、それまで迷う猶予はある。発表される申込者数を見て判断することも可能だ。申込みをして受験しなかった場合でも、何ら不利益を受けることはない。

★今年の状況

 国家1種試験の合格者増加の発表がされているが、これは採用者自体を増やすものではない。2001年までは採用予定者数の約2倍の合格者を出していたが、今年は約2.5倍となるという(来年は約4倍に増やす)。もともと激しい官庁訪問のさらなる激化が予想される。
 また、裁判所事務官・家裁調査官補の各試験は、受験資格の年齢上限を引き上げる。今年の試験では、前年の上限より1歳高い年齢でも受験できることになる。さらに2004年にはもう1歳引き上げられる予定となっている。
 このように、試験日程に限らず様々な変更が毎年のように行われている。中でも試験内容の変更は、勉強内容や学習スケジュールにに大きく関わることなので、見逃すことはできない。
 過去の例でいえば、川崎市は2000年までは行政事務区分の専門試験を「法律」「経済」「行政」から選択できたが、2001年の試験で、北海道、青森県(全問解答制の全国型)などのように法律・経済・行政系の科目ともすべて入った内容に変更した。これにより、受験生の対策は大きく変わることになる。
 このような状況の変化に対応していくためにも、受験を考えている試験の情報収集は欠かせない。予備校や友人からの情報を活用するのも有益だが、志望先については自分でしっかりと調べることを心掛けてほしい