続・喜治賢次の目線 |
VOL.57
ごみゼロ都市なかの
先日、中野区廃棄物減量等推進審議会委員の委嘱を中野区長から拝命した。 2年間の任期で「人にも地球にもやさしいライフスタイルによる持続可能な循環型社会を形成するため、『ごみゼロ都市なかの』をめざす具体的な戦略について」話し合い、
諮問する。区内の廃棄物関連の事業者の方、消費者団体の方、商店街関係の方、学識経験者の方々など16名で構成される。ゴミ問題では著名な早稲田大学の寄本勝美教授、東京学芸大学の小澤紀美子教授、環境ジャーナリストの崎田裕子さんらも名を連ねる。
なぜそんな中に私も加えてもらえたかというと、塾にゴミ箱を置かないという試み
が評価されたからだ。そういう意味では、塾生のみんなの協力があったからともいえる(ゴミ箱を置いていない件については、喜治塾新聞19号(2002年4月24日号)をご覧いただきたい)。
第1回審議会では、家庭ゴミの現状などの説明を事務局がしたあと、ごみゼロ都市を目指すために何をすべきかについて、フリーに意見が交わされた。みなさんが、いろいろと意見を持ち、様々な試みを実践されていることに驚くと同時に、全国各地の自治体が、既に本当に様々な試みをされていることを知り驚いた。
消費者団体の代表の方。牛乳パックの回収に積極的に取り組み、各地の地域活動として根付かせることに成功したが、それがかえって牛乳パックなどの紙パック製品の需要を喚起し、結果的に様々な形の紙パック製品を生み出すことになった。全体としては紙パックの生産量を増やし、紙を大量に使うことになってしまった。牛乳ビンで、使い回すほうが、ゴミも出なくていいはずなのに……。
古紙を回収して、紙に再生する事業者の方によれば、再生した古紙は東南アジアなどに輸出するのだが、需要の方が多く、足りないくらいの現状だそうだ。回収しても使い道がなくて意味がないという議論もあるが、探せば需要はいくらでもついてくる。グローバルに考えないといけないというような話をされていた。
さて、審議会では、これから如何にして「ごみゼロ都市なかの」にしていくかについての戦略を練るわけであるが、この場で逐一報告をしていくので楽しみにして欲しい。